塾の選び方・塾の裏話 #7

ずいぶん間が空きましたが、塾の選び方・塾の裏話の続きです。

新聞の求人広告を眺めていると、時々驚くような求人に出会うことがあります。

「占い師募集!未経験者大歓迎!」

未経験者でええんかい!と思わず新聞紙につっこんでしまいます。まぁ、占いなら「当たるも八卦当たらぬも八卦」ですから、特に誰からも文句は出ないのかもしれませんが、実は塾にもよく似たケースがあります。

嘘だとお思いになるかもしれませんが、フランチャイズ塾元締めのサイトなどを見てみると、「あなたも塾を経営しませんか?未経験者大歓迎!教えられなくても大丈夫!あなたは講師と生徒を管理するだけ!」といった類の惹句が書かれてあることがあります。

おいおい、そりゃないだろう(笑)。塾を運営している人間からすると、信じられない話です。

魚のことがよく分かっていない魚屋さん

ファッションのことが分かっていない服屋さん

金融のことがよく分かっていない銀行マン

医学がよく分かっていないお医者さん

こうした人達にものを頼みたい人っていませんよね。塾とて同じです。厳しいようですが、勉強のことをよくわかっている・教えられる人が運営している塾にしか存在価値はないと思います。

勉強を教えられる人間を雇えばいいじゃないか、塾長は教えずに経営に専念してもいいじゃないか、とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、それは塾が大規模になったときにだけ妥当する話でしょう。個人的なイメージで言えば、少なくとも塾生が500名を越えないとそういうスタイルは無理でしょう。

勉強のことをよくわかっていない・教えられない人が運営している塾って、多くの人を不幸にしてしまうと思うんですよね。

自分が教えられないということは、講師を選ぶ際によい講師を見抜くことが難しいということも意味していますから、そこに通う塾生はちゃんとした指導を受けられないということになります。もちろん、学力は上がらない。

(最近はコンピュータのソフトで学習するなんてところもあるようですが、問題外です。この件はまた別記事にしようと思います。)

また経営者の観点からしても、長期的に見たとき、学力を向上させられない塾には、塾生が集まってくれないわけですから、ちゃんとした利益が上がるとも思えません。結局は廃塾のやむなきに至ることが多い。

もちろん、フランチャイズの元締めは、上記のような事柄はおくびにも出さないでしょう。加盟金(数百万円はするはず)が入ればそれでOK、加盟者が倒産しようが閉塾しようが知ったことではないわけですから。何の間違いか、フランチャイズ塾の経営者に実力があって業績を上げた場合には、その上前をはねればいい。地の利があって、加盟者の塾が流行っているようなら、直営店を近隣に出せばいい。詳しい契約書を見たことはないので、断言はできませんが、本部側の競業避止義務なんていう、本部に不利になるような内容は契約に含まれていないでしょう。その一方で、フランチャイズ脱会後は塾を経営してはならぬといった条項はしっかり含まれている可能性は高い(法的には無効になる可能性は十分にありますが)。

まぁ、そんな穴だらけの契約を締結してしまう人が悪いといえば悪いんですけどね。実際、フランチャイズ塾関連のトラブルは多数が訴訟沙汰になっています。

う~ん、私もフランチャイジー(加盟店)を募集しようかな。求める基準が高すぎて、誰も加盟してくれないでしょうけど(笑)。

長くなったのでまとめ。

勉強のことをよくわかっていない・教えられない人が運営している塾は、通う塾生・運営する側のいずれをも不幸にしてしまう。