とび太くんに出会う

「飛び出し坊や」ってご存知でしょうか。子どもが道路脇から飛び出してくる姿の看板で、ドライバーに注意を促すためのものなんですが、郊外なんかでよく見かけますよね。

私、最近まで知らなかったんですが、この「飛び出し坊や」、元祖は滋賀県八日市・近江八幡あたりで製作された「とび太くん」らしい。日本全国で見かけますが、特に関西圏で多いなという印象はあったんですよね。

だいたい関西圏って、直接的というか即物的というか、ものすごくわかりやすい看板が多いですよね。大きなカニが動く「かに道楽」なんかがその代表例。誰が見ても「カニを供するところなんだな」と一瞬で分かる。

他にも「激しい色使い」「大きい文字」「ぴかぴか光る」なんて看板が多く(例:スーパー玉出)、スタイリッシュな看板の多い首都圏と大いに違います。目立ってなんぼの精神にあふれ返っているのがいかにも関西(笑)。

この「飛び出し坊や」もその看板文化の流れにあるのかなと思うんですが、実はこれ、すごく実際的な意義のある看板なんです。

交通事故が今よりもはるかに多かった時代は、犠牲になる子どもも多かったと思われますが、滋賀県警のデータによると、この看板「とび太くん」を設置してからというもの、子どもが轢かれる事故の数があきらかに減ったらしい。

こうなると、たかが看板とは侮れません。貴重な子どもの命を救っているわけですからね。「とび太くん」は、現代の「お地蔵さん」と言ってよいのかもしれません。

最近、滋賀県は八日市・近江八幡に出かけたんですが、幹線道路から少し入り込んだところを走っていると、それこそ見渡す先まで「とび太くん」がズラズラッと並んでいるところがありました。「どんだけ子どもが飛び出してくるねん!(笑)」息子も大ウケ。そこまでされなくても安全運転してますけどね……。後で調べると、どうやら、元祖「とび太くん」を製作した看板店の近辺だったようです。

最近、高速道路のサービスエリアで「とび太くん」グッズを見かけることが多くなってきました。それでふと、この記事を書こうと思ったんですけどね。写真上2つは、名神高速道路の菩提寺パーキングエリア(滋賀県)にて。一番下は、山陽自動車道の淡河パーキングエリア(兵庫県)にて。関西圏で大きな存在感を示す「とび太くん」です。

Tシャツ、マジで買おうかと思ったんですが、子供用サイズしかありませんでした。

あらゆる種類のグッズが。目指せくまモン。

よくよく見ると「とび太くん」って、すごく躍動感・飛び出し感がありますよね。こどものまっすぐ感がよく出ています。これ、歩行者しか通らない通路に置かれていたんですが、思わず足が止まりました。