小学生が最もつまずきやすい算数の単元って、どこだと思われますか?私の経験から言うと、(現行指導要領では)5年生配当の「割合」です。ここで将来の数学の出来がある程度見通せる、という気すらします。
難しく感じる or つまずく理由は、
1.もとにする量,比べる量,割合という3つの概念を理解して使い分ける必要がある
2.文章を読み解いて、どの数値がどの概念に当てはまるのかを考えねばならない
3.上記三概念を算出するには、それぞれ異なる式を使わねばならない
4.割合の表現方法が、小数だったり百分率だったり歩合だったりする
5.学校では授業時間の割り当てが少ない
といったところでしょうか。
もちろん、塾の授業では難しさを覆い隠して、簡単なように見せつつ、本質的な理解が出来るように持ってゆくわけです。
3や4は図解すると分かりやすく・覚えやすくなります(塾生おなじみの「例の図」です)。個々の差が出てきやすいポイントは、やはり1と2でしょう。
概念を理解した上で、具体的な文章を読み解いてどれに当てはまるのかを考える、というのは算数的な能力というよりも、むしろ国語的な能力を問われているわけですからね。
こちらの点も、塾ではしっかり見ていますが、自分で(もしくは家庭で)学習している人は、しっかり意識してトレーニングして下さい。どれが「もとにする量」で、どれが「比べる量」なのかを意識するだけでも、かなり違うと思います。
ここで例題です。小学6年生以上のお子さんがいたら、尋ねてみて下さい。(応用問題や文章問題とすらいえない単純計算問題ですが。)
「定価5000円の服が3割引で売られていた。何円で売られていたか。」
10秒以内に即答できれば、しっかり理解できています。
3分以内に答えられれば、つまずいてはいません。
間違えた or 3分以内に答えられない場合は、割合の単元の復習の必要あり。
1万5千円などという答えが出た場合は、割合だけではなく、算数・国語、全般的に行き詰まっていると考えるべきでしょう。