マリア・ルイーザのサンバ (Samba De Maria Luiza)

アントニオ・カルロス・ジョビン (Antonio Carlos Jobim)(Tom Jobimと呼ばれることもあり) というブラジルのミュージシャンがいます。ボサノヴァ創始者の一人なんですが、詳しい解説は Wikipedia に任せるとしましょう。

アントニオ・カルロス・ジョビン – Wikipedia

先日、久しぶりに『アントニオ・ブラジレイロ (Antonio Brasileiro) 』というアルバムを聴いていたんですが、このアルバム、本当に良いんですよね。遺作になった作品なんですが、このミュージシャンの最後を飾る作品としてふさわしいものです。

Antonio Brasileiro
Antonio Carlos Jobim

アントニオ・ブラジレイロ

色々と思うところを書きたい作品なんですが、今日は時間がないので、『マリア・ルイーザのサンバ (Samba De Maria Luiza)』についてだけ。

Samba de Maria Luiza || Tom Jobim

É do cabelo amarelo
Dos óio cor de chuchu
Quando eu virar gente grande
Me caso logo com tu

O samba de Maria Luiza
O samba de Maria Luiza

O samba de Maria Luiza é bonito pra chuchu
O samba de Maria Luiza é bonito pra chuchu
Ela canta e ela dança, menina
O samba da Marilu, Marilu, Marilu, Marilu

O samba de Maria Luiza é bonito como o quê
E é por isso que o papai
Já tá apaixonado por você
Tá apaixonado por você Maria Luiza

By Antonio Carlos Jobim

この曲、初めて聴いたときから大好きなんです。家族同士の自然な情愛があふれてくるようで。私がこの曲を最初に聴いたのは随分昔のこと。持っているのは輸入盤で解説は何もありませんでしたし、ネット上にもその頃は詳しい情報がありませんでした。が、しかし、年老いた男性が幼い孫娘に、「大好きだよ、大切だよ、もう可愛くってしかたがないよ!」と歌っているに違いない。ポルトガル語は分かりませんが、言葉の雰囲気、歌い方、メロディー、その全てがそう伝えてきます。

そう思いながら疑問も持たず、20年近くの歳月が経過。

昨日、ふと思い出して、ネットで調べてみると、なんと一緒に歌っているマリアちゃんは実の「娘」とのこと。孫娘じゃなかったんだ!何でも、ジョビンが60歳のときに授かった娘さんとのことで、そりゃもう目の中に入れても痛くないという、メロメロのバカ父状態だったのでしょう(笑)。

和訳をしていらっしゃるウェブサイトも見つけましたので、失礼ながらリンクを。

マリア・ルイザのサンバ

やっぱり歌っている内容は思っていた通りです。老境に向かう年齢で授かった可愛いわが子。それも可愛い女の子。もう何もかも捧げたい。どんなことでもしてやりたい。そんな気持ちだったんじゃないでしょうか、ジョビン。私にも子どもがおりますので、昔よりはこうした気持ちがわかるようになりました(あくまでも想像ですが)。

この曲、とても短いんですが、それはボサノヴァの常。ジョアン・ジルベルトなどにも言えることなんですが、曲の短さが逆に鮮烈な印象を与えます。このあたりはまた別の記事にして書いてみたいと思います。