榊莫山先生が亡くなりました。享年84。ご存知の方が多いとは思いますが、有名な書家でいらっしゃいます。
以前、某雑誌に莫山先生がエッセイを書いていらっしゃったんですが、当塾近辺(大阪市天王寺区)の話が妙に多い。不思議に思って調べてみると、なんと私の母校、真田山小学校で教鞭をとっていらっしゃったとのこと。なるほど。
残念ながら私は莫山先生の謦咳に触れる機会がありませんでしたが、私より上の先輩方は、莫山先生に書道を教わっていたことになります。いいなぁ。
訃報を機に調べてみると、大学の先輩でもいらっしゃるんですね。何となく分かる感じがします。
(以下Wikipediaより引用)
三重県立上野高等学校、京都大学文学部卒業。
戦後、20代の頃から頭角をあらわし、頂点にまで上り詰めるも、33歳の時に書壇から退き、以後は地元・伊賀の地で独自の世界を作り続けた。
バクザン先生の愛称で知られる。前衛的な書画と、作品のイメージ通りの飄々とした印象で、宝酒造の「よかいち」のテレビCMをきっかけにバラエティ番組などにも多数出演。また、エッセイなども多数著し、関連も含めると100冊を超える。また、商品のロゴなども多数手掛けている。司馬遼太郎と長年親交があり、司馬の作品『空海の風景』に登場した。
有名書家であった莫山先生ですから、そこら中で書を見かけるんですが、本当にいい字です。上手い人が書いたくずし字って、どこか味があるんですよね。私のような悪筆が字をくずしても、汚い字がさらに汚くなるだけなんですが……。
下の写真は4年ほど前に私が撮影したもの(掘り出してきました)。
東大寺という寺院の暖かみ、かつては文化や学問の先端を担っていたというシャープネス、相反する両者が表現されているようで素晴らしい書だと思います。
幼い頃、TV番組『真珠の小箱』も大好きだったんですよね。あの番組を通じて、私の脳裏に莫山先生の書体が焼き付けられたのかもしれません。
ご冥福をお祈り致します。
<追記>
なお、莫山先生については下記ブログの記事が極めて秀逸だと思います。プロフィールを拝見すると小学・高校・大学の先輩でいらっしゃる建築士の方のブログです。直接には存じ上げませんが、リンクさせて頂きます。
書道教室や絵画教室一つを選ぶにしても、優れた人のご両親はやっぱり見る目があるなぁと感心しきり。小さな頃こそ、誰に習うかは大きな影響力がありますしね。当塾もご期待にそえるように頑張らないと。
真田山小学校の丸池にあった石碑って、莫山先生作だったんですね!小学生の頃、何度も写生させられたんですが、そういう事情があったからなんでしょうか。そういえば、校門脇の学校名の書かれた銘板も莫山先生の字体ですね。恥ずかしながら今気がつきました。
松田靖弘のブログ 榊莫山先生の思い出
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