来年2013年度から大阪市立小学校の土曜日授業が始まります。現時点では月2回程度が上限とのこと。
しかし、この大阪市立小学校の土曜日授業、学力向上という面からはあまり意味のある事だとは思えません。
学力が低下している → 授業数を増やせば学力が向上する
なんていうのは、私から言わせてもらえば、まるで子どものように短絡的な考えです。公立小学校の授業をいくら増加・延長したところでほとんど意味はありません。現時点でも月曜日から金曜日の朝から夕方近くまで子ども達を拘束しているのに、それでもまだ足りないと考えるのは少し異常ではないか。普通はそれだけ莫大な時間的コスト・労力的コストをかけて効果が上がらないのであれば、方法論や実際運用の不合理性を検証することになりますよね。
意識の高いご家庭ほど、学校教育の限界もよくご存知ですから、この土曜授業の復活は「悲報」として捉えられているという感じを受けます(もちろん私たちのような塾運営者としても同感)。
公立小学校より合理的かつ高いレベルの教育を受けたり、スポーツに励んだり、習いごとをしたり、親子でアウトドアに出かけたり、土曜日をそうした活動にあてていたご家庭も多いと思うんですが、今後はその活動にかなり制限が加わることになってしまいます。せめて土曜授業を自由参加にしてくれればいいんですが……。
個人的な意見とお断りしておきますが、実質上、この日本では、初等中等公教育は最低限度の教育内容のみを保障しているにすぎないと考えています。日本国憲法が生存権を保障している(政府が国民に最低限度の生活を保障している)のとほぼパラレルだと考えている訳です。
最低限度の教育内容で十分だと考えるご家庭があってもよいし、よりよい教育内容・学外活動を求めて、私立学校、塾や各種教室、スポーツチームの門を叩くご家庭があってもよい。それが「この国のかたち」でしょう(そして、後者のご家庭をサポートするのが私たちの仕事だと思っています)。
であってみれば、公立小中学校が授業日数を増やすことは「大きなお世話」と言わざるを得ません。誤解されないように申し添えておきますが、公立小中学校を軽視しているわけではありません。ただ、各機関それぞれの持ち分や領域があるだろうと言いたいだけです。
実際、私も息子を大阪市立小学校に通わせているんですが、息子に土曜授業の話をすると、今から憂鬱そうにしています(笑)。私達両親については、土曜は朝から晩まで働きづめですのであきらめているようですが、祖母と買い物に出かけたり映画に出かけたりしにくくなるのがとても悲しいらしい。「お昼から行けばいいじゃないか」と慰めております。
ただでさえ多忙な学校の先生方が、今後さらに時間的余裕を失うことになりますが、それが子ども達にとってメリットになることはあり得ないということも付言しておきたいと思います。
当塾の対応については下記記事をご覧下さい。
大阪市立小学校の土曜日授業開始と当塾の対応:国語塾・宮田塾のブログ