中学生になると「国文法(口語文法)」を習い始めますが、それに関するご質問をよく受けます。より具体的には、「品詞分解が難しい・できないがどうすればよいか」というご質問です。いわゆる難関中学に進学されたご家庭から、このご質問を受けることが多いですね。
私の答えは、いつでも次の通り。
「口語文法を習い始めた頃は品詞分解ができなくても構いません。むしろできない方が普通です。」
「品詞分解」が難しいと感じるのは、「各品詞をまだ理解・暗記できていないこと」が原因です。であってみれば、「品詞分解」は、各品詞の学習が済んでからやったほうが合理的です。
分子や原子の種類も知らない段階で、ある物質の組成を調べろと言われても無理な話だというのはお分かりいただけるかと思いますが、各品詞を知らずに文章を品詞分解させるというのは、それに近いものがあります。
特に助動詞や助詞は理解が難しいところですが、それを知らずに品詞分解しても、まず正確にはできません。
例えば、「昨日は雨だったね。」というような単純な文章でも、断定の助動詞・過去の助動詞・係助詞・終助詞が分かっていないと、自信を持っては分解できません。(正解は、「昨日 / は / 雨 / だっ / た / ね。」)
中学入学後すぐの時点では、まだ各品詞についての授業をうけていないはずですが、何故か「品詞分解」の問題がよくテストに出題されます(あと文法テキストの初頭にもよく出てくる)。これは出題する側にも、少々問題があると思うんですよね。
対処としては、
1.助詞や助動詞を習得すれば、品詞分解はそんなに難しいものではなくなるから、それまであまり気にしない。
2.学校のカリキュラムを無視して、一気に口語文法の勉強を完成させる。
のいずれかになるでしょう。どちらでも構わないと思います。本来、文法は一気に習得した方が合理的なんですが、国語ばかり勉強しているわけにもいかないでしょうしね。
以上、中学1年生の中間テスト前に書こうと思っていたんですが、すっかり忘れていました……。すみません。