万歩計と距離感覚

時々、生徒が万歩計を持っているのを見かけます。ブームになっているんでしょうか。話を聞いてみると、

「公園で遊んでたら2時間で一万歩ぐらいいってたよ!」

どれだけ動き回っているんですか……(笑)。

「遠いところまで行って帰ってきたけど、20歩ぐらいしかいってなかってん。」

どれだけ歩幅が広いんですか……(笑)。

距離や長さの常識的な感覚は、日常生活から身に付けるべき感覚だと思いますが、そういう意味で万歩計というのは良い小道具かもしれません。

小学低学年の算数でよく見る問題に、次のようなものがあります。

次のかっこ内に適切な単位を入れなさい。

学校のプールの長さ 25(  )

家から校舎までの道のり 1(  )

靴のサイズ 20(  )

このブログをお読みの方には瞬間的に分かる問題だと思いますが、小学生低学年ぐらいだと簡単にひっかかってしまう問題です。

誤答:学校のプールの長さ 25cm

→靴ぐらいのサイズのプールになるよ。メダカでも狭苦しいと思うよ。

誤答:家から校舎までの道のり 1m

→ありえないとは言えないけど、学校内に住んでいることになるね。

誤答:靴のサイズ 20m

→多分身長は150メートルを超えていると思うよ。東京タワーの半分ぐらいかな。

こう説明すると、どの子も笑いながら理不尽さに気づいてくれます。しかし、文章問題になると、これまた意外に気づかない。

例えば、歩いた距離と歩数が示されており、一歩あたりの幅を求めさせるような問題です。小学高学年の問題ですね。

太郎さんは660メートル進みました。歩数は1200歩でした。太郎さんの歩幅は平均して何センチメートルでしょうか。

もちろん、660メートル=66000センチメートルと置き換えてから割り算をする(またはメートルで算出された答を100倍してセンチメートルに換算する)必要があるわけですが、結構多いのが次のような誤答です。

660÷1200=0.55 答:0.55センチメートル

太郎君はミクロ人間ですか?(笑)

時には、どういう計算をしたのか、55キロメートルという答もあったり。それ、「だいだらぼっち」ですから(笑)。

長さ・距離に関する常識的な感覚を身に付けるとともに、文章題でもそうした感覚を発揮して欲しいと思って指導しております。