新学習指導要領と移行措置~1年が経過して #1

学習指導要領移行期の一年目がほぼ終了しました。現時点でのレポート・感想をば。

この話題については、一年ほど前にもこのブログで取り上げています。

国語塾・宮田塾のブログ 新学習指導要領と移行措置 #1

国語塾・宮田塾のブログ 新学習指導要領と移行措置 #2

上記記事では、次のように書きました。

正直、ヤバイです(笑)。

1.かなり履修内容が増えている。

2.理解しにくい部分が1学年前倒しになっていることが多い。

小学校・中学校の現場で、理解に困難をきたす子供が続出することは、間違いないでしょう。そもそも、一人の教師が、30~40人程度のクラス全員に、これだけの内容を完全に理解させるというのは不可能です(だいたい現時点でも出来ていない)。理解度別にクラス分けするとしても、かなり厳しい状況でしょう。

……正にその通りになっています。

もちろん当塾では新内容もちゃんと指導していますが、学校ではこの内容を全部指導することはほぼ不可能に近いと思います。別に学校を貶しているわけではありません。週休二日制というスケジュール、過密な学校行事、学力に大きな差のある30人以上のクラス構成、教師のキャパシティ、生徒のキャパシティ、生徒の置かれている社会環境……こうした事情を考えると、以前のいわゆる「ゆとり」的な内容でもアップアップなわけでして、今回の学習指導要領の改編はかなり背伸びしている感があります。学校という現場が世論に押し切られた形とでも言いましょうか。

実際、生徒たちから聞く情報によると、学校では新内容部分は軽く触れるだけに終わっているようです。学校・クラスによっては、触れさえしていないところもある模様。また、触れておられる学校・クラスについても、理科・社会にしわ寄せが行き、理科・社会がほとんど進行していないというケースを聞いています。昨年は新型インフルエンザによる学級閉鎖や休校がありましたので、いっそうスケジュールがタイトだったということもあるでしょう。

怪しからんと憤慨される方がいらっしゃるかもしれません。が、私に言わせてもらえば、そもそも公立の学校というのはそういう場所だと思います。本質的には、生徒の社会性や人間性を築く場所であって、勉強については最低限の部分だけを指導するにすぎない。そう理解しておいた方がよいような気がします。良い悪いの話ではなく、現実としてそういうものだという話です。

私自身、小学校も中学校も公立だったんですが、学校で「教科内容を学んだ」という感覚はほとんど持っていません。幸いなことに、教科書の内容程度であれば、一読すれば理解できましたし、どちらかというと、自分で読んだり調べたりする方が好きでしたから、各年度の初めにもらった教科書を一通り読んで、その一年分の(最低限レベルの)勉強はおしまい、という感じだったわけです。牧歌的な時代だったということもありますが……。

長くなってきたのでパート2へ。