最近の印象深い解答例

ここしばらくお堅いブログ記事が多かったので、たまには小学生の珍解答例をご紹介してみましょう。この種の記事には、いつも次のような但し書きを付けています。今回も同じ。

・珍解答を馬鹿にして笑っているわけではありません。
→指導する私達の方が気付きを得られるので、むしろ有り難いぐらいです。

・変な解答を書くとブログに取り上げられるかも?
→それはちょっとあるかも。でも個人的な情報は絶対に分からないようにしてあります。
→恥ずかしがらずに堂々と間違おう!間違うことで賢くなれるんですから。

ということで、紹介に移ります。

括弧の中の熟語に読みがなを付ける問題。
問題:父は「自負心」が強い。
生徒解答:「じんましん」

採点中に受けてしまったんですが、うまい読みですよ、これ。もちろん正解は「じふしん」ですから間違いなんですが、知らない熟語もちゃんと自分の力で読もうとしているところが偉いですね。

「じぶん」の「じ」
「まける」の「ま」
「こころ」は「しん」

そう読んでみると「じましん」、特別な読みで「ん」が入って「じんましん」なのかな。文脈にも合うし……といった考えだったんでしょうね。そうやって類推することは大切なことです。

問題:「白馬」にのった王子さま
生徒解答:「かば」にのった王子さま

いや、それはいくらなんでもブサイクすぎるだろと心の中で思いましたが、「はくば」は「しろい馬」のことだよ、カッコいい王子さまっていう感じなんだよと説明するに止めました。

バイク乗りは、白バイ警官のことを比喩的に「『白馬』にのった王子様」と呼ぶことがあります。なかなか上手い比喩だと思います。王子様にはちょっとした権力があり、バイク乗りにしばしば献金(反則金)を迫るので反感を覚える。一方で、狭き門を通り、卓抜したライディングテクニックで正義のために働く彼・彼女らにどこか憧れに似た感覚もある。

私も白バイ隊員ならやってみたいなと思うことが時々あります。給料を貰いながら日がな一日バイクの練習が出来るなんて最高じゃん!前世で何か高い徳でも積んだのかな?いやいや、実際は楽じゃないんでしょうけどね。

おっと話が逸れすぎました。ついでに紛らわしい熟語を整理して漢字知識を増やしておきましょうね。

「河馬」カバ
「河豚」フグ
「海豚」イルカ

カバは比較的覚えやすいと思います。河に棲んでいそうですし、音読みそのままですし。

問題はフグとイルカ。フグは海水魚で、イルカは河にも棲むことがあるよね、と考えてしまうと逆になってしまいます。漢字の上では、フグは川魚、イルカは海魚(?)と覚えておきましょう。ここでは動物学的な考えを捨てるべし(笑)。

 

助数詞の問題。
家→一軒、二軒
車→一台、二台
お箸→一?、二?
生徒解答:一セット、二セット

もちろん正解は「一膳、二膳」ですが、「一セット、二セット」も上手い解答ですよね。少なくとも完全な間違いとは言いにくいですし、自分で何とかひねり出そうという努力も認められる。「一本、二本」だったら、お箸片方だけになるしな、どうしようかな、じゃあ「セット」なんてどうだろう、という思考回路が読み取れます。

時々妻と行くパスタ屋さん(最近はコロナであんまり行ってませんが)。フォークとナイフがテーブルの上に置かれているんですが、私たちはお箸で食べたいんですよね。「大和の国のまほろばの食文化を何と心得る」「お箸の国の人だもの」とかそんな大層なことを考えているわけではありません。お箸の方が食べやすいというだけです。

で、店員さんに「すいません、お箸をお借りできますでしょうか」とお願いするんですが、ほとんどの店員さん(若いバイトの子も多い)が、ちゃんと「何膳お持ちしましょうか?」と聞いてくれるんですよね。

若い子にも「膳」という助数詞がポピュラーなのか、それとも店長さんの教育が行き届いているのか。私にはそのどちらなのか分かりませんが、どちらであれちょっと嬉しい気分になります。「何セットお持ちしましょうか?」だと、ちょっと興醒め。

さて、明日も頑張ろう。