昨日(2020.12.02)届いた嬉しいプレゼント。坂本慎太郎の新曲です。
金沢のライブハウスで今年4月行われる予定だった彼のライブのチケットを取っていたんですが、コロナで中止に。また坂本慎太郎の生演奏を見る機会を逃してしまい、悲しい思いをしました。
昨日届いた新曲は、まさにコロナ禍にある私達へのメッセージ。
YouTubeの zelonerecords チャンネルの説明にはこう記されています。
Shintaro Sakamoto’s two new songs will be released for two consecutive months. Next new “By Swallow Season” out on December 2nd. Both songs were written during the COVID pandemic in 2020.
“written during the COVID pandemic in 2020” と明記されている通り、このコロナ禍を反映している曲・歌詞は、彼からファンへのパーソナルなメッセージでもあるでしょう。そして、それはリスナーである私に強く訴えかけてきます。
話は少し逸れますが、平成・令和における「詩」というのは、「詩集」という文学メディアに載るものよりも、音楽というメディアによって伝達されるものの方が、量・質ともに遥かに上回っているのではないかと思っています。これは、私が音楽といつも一緒にいたいと思っている理由の一つ。私が最も好きな言葉の一つ「詩情」は、今や音楽を抜きにしては語れない、なんていうと文学者には怒られそうですが……。
By Swallow Season / Shintaro Sakamoto (Official Audio)
今風の言葉で言えば、オーガニック感溢れるソウル・ミュージックです。カーティス・メイフィールドを思わせるような。特にサックスの入り方が格好良いんだよなあ。
曲は、コロナ禍にある私達の閉塞感と解放感(コロナ感染症によって今までの常識が変わってゆくという点を考えれば閉塞ばかりではなく「解放」でもあるでしょう)を表現しているように思います。
坂本慎太郎の書く詩もやっぱりいい。
何年経って元に戻るの?
それとももっと光って真っ白になるの?ツバメの季節にまた会えるかな?
それまで待っていたって無駄だと言えるの?昨日とよく似てる今日
黙ってできることしているあの人何してるかな?
今も元気でいるかな?何年経って元に戻るの?
もっと光って真っ白になるの?
もうコロナ禍が収まることなく、さらにその度合いを高めてしまう場合もありえると思いますが、「もっと光って真っ白になる」というのは凄いメタファーだと思います。社会が漂白されてゆくようなイメージでしょうか。ガランとした都会の絵が目に浮かびます。
でも、会えなかった人達とまた「ツバメの季節」に出会いたい。
そのために「黙ってできること」をして、日々を丁寧に暮らす。
それが、それだけが、今私達の出来ることなんでしょう。
“COVID pandemic” なんて事があったなと、なつかしい昔話のようにこの曲を聴ける日がくることを願っています。