塾の国際化と裏メニュー

「インターナショナル」「グローバル化」なんていう言葉が陳腐になっていると思えるほど、今の時代、他文化との接触・交流が当たり前のものになっています。

当塾からほど近い心斎橋なんかを歩いていると、中国語・韓国語をはじめとするアジア諸国語や英語・ポルトガル語ばかりが耳に入ってきて、日本語話者はむしろマイノリティなんじゃないかと思えるほどです。家の近所でちょっとしたエトランジェ気分。

そうした状況を反映してか、小学生が家族と海外旅行に出かけるなんていう話は何も珍しいものではなくなっています。私の幼い頃からすると隔世の感がありますね。

それと同様、当塾にお問い合わせ下さる方や、当塾の門を叩いて下さる方も、国際色が豊かになってきた気がします。外国籍の生徒さんをお受けするのは別段珍しいことではありませんし、高等教育を日本でなく外国で受けさせることを想定し、幼い間に国語力=言語力を高めるべく当塾をご利用くださる方もいらっしゃいます。

最近特に多いのは、外国語を母語とされる保護者様のお子さんや、インターナショナルスクールで英語をベースにした教育を受けているお子さんです。

こうしたご家庭・生徒さんについては、最初の面談の際に、ご家庭での言語使用状況や学校での言語学習状況をうかがい、彼らが現在置かれている言語的な状況を把握しておくようにしています。簡単に言えば、日本語と非日本語にどのような比率で触れているのかを確認しているわけです。

その状況に基づき、利用するテキストや指導を考えることができますし、授業中も臨機応変に対応することが可能になりますからね。

で、今までの経験上、対応の必要性がもっとも高いのは、日本語と英語の「ちゃんぽん」指導です。

ちょっと話はそれますが、私、英語は好きな方です。といっても、持っている資格は英検準1級だけなんですけれど。大学入学したての頃に何か資格を取っておこうかな、そうだ英検でも取っておくかという気になり、書店で過去問をぱらぱらと見たんですが、1級も準1級も筆記試験についてはあまり難しそうには見えません(英語は大学受験でも得点源でした)。

ただ、面接試験を調べてみると、1級は面接官を相手にディベートをしなくてはならず、英会話経験のない私には少しハードルが高い気が。そこで、準1級を受検してみたんですが、過去問を一冊やっておくだけでおつりが来ました。確か偏差値75を超えていたはずなんですが、自慢はこれぐらいにしておきます(笑)。そもそも、周囲では高校生の間に準1級を取得している人も珍しくはなかったので、自慢にも何にもなりはしません。

閑話休題、そうした英語の勉強は、先述のような、日本語と英語の「ちゃんぽん」説明が必要になった際に多いに役立ってくれています。

たとえば、日本語よりも英語の方が語彙力豊富な小学生が漢字学習で迷っているとしましょう。当塾ではこんな風に漢字の説明をしています。

この「熱」っていう字は “fever” とか “hot”っていう意味だよ。あと “excitement”っていう意味もあるよ。下にある4ドットのパーツを「れんが」っていうんだけど、このパーツはもともと “flame” “fire” を表す絵なんだよ。だから “fever” “hot” になるというわけ。

次の「夏」っていう字は “summer” の意味をもつキャラクター。帽子をかぶった人が歩いている図なんだよ。a walking man/woman with a hat on っていうわけ。そう思いながら何回か書いてみようね。(※字源には色々な説があります)

できるだけ漢字の脇に英単語をメモりながら聞いてもらうんですが、純粋に英語で説明しているわけではないので、他人が横で聞いていると、「ルー大柴」風になっているんじゃないだろうか(笑)。

こんな感じで、職業上の必要から speaking in a mixture of Japanese and English になることがあるわけですが、あと一つ、以前に取得した日本語教育能力検定(外国人に日本語を教える教員になるための資格)も大いに役立ってくれています。

日本語教育能力検定を受検した際、ここまで役立ってくれるとは正直思わなかったんですが、日本語と非日本語のバイリンガルの生徒を指導する機会が生じてくると、受検勉強で得た知識が大いに効力を発揮してくれています。何が幸いするか分からない。

というわけで、日本語英語ちゃんぽん指導もOKという宮田塾裏メニューのご紹介でした。ちなみに私、中国語会話は全く分かりませんが、そちらに関してはある程度までなら副代表が対応できます。