森友学園「瑞穂の國記念小學院」問題を塾運営者から見る

森友学園「瑞穂の國記念小學院」の件が毎日のように報道されています。

私は右であれ左であれ、政治的なイデオロギーが教育(特に初等教育)の場に入ってくるのが大嫌いです。百害あって一利無し。指導者側はそんなことに首を突っ込んでいる暇があれば、九九や漢字の一つでも教えるべきだと思います。政治屋さんも教育の現場に立ち入らないでいい。シッシッ。

そういう意味で、公立学校の入学式や卒業式に地方議会の議員が出てくるのは、蛇足だなと思います。中学生ぐらいになると、「またこいつか、何回同じ話を聞かせるねん。しかもまた自慢話かよ、芸のないおっさんやのう。」と友人と笑っていた覚えがあるんですが、ま、そこは大阪人ということで。

さて、今回の森友学園、かなり極端な政治的立場を明らかにしていましたが、その時点でもう問題外だなと思っていました。右がどう、左がどうと言いたい訳ではありません。政治的に過激な主張を持つ幼稚園や小学校って、子ども達に害悪を与えこそすれ、良影響はほとんどないと思うんですよね。

「教育勅語」なんてえらく古臭いものを掘り出してきて幼稚園児に暗唱させたりするそうなんですが、本当に意味が分かっているんでしょうか。いや、園児ではなく運営者が。失礼ながら、漢文もしくは漢文調古文を読めるだけのレベルにあるとは思えない。

先日、ブログで「瑞穂の國記念小學院」の話を書こうと思って、ウェブサイトを隅から隅まで見ていたんですが、うむむ、ホームページの初っぱなから、文法的に疎漏な文章が次々に出てくるんですよね。主語と述語の合致しない文章だとか。これは添削しないと(笑)と思っていたんですが、昨日ブログを書くべく見てみると、全ページが公開停止となっていました(当該URLにアクセスすると母体の学校法人に飛ばされる)。しまった、保存しておけば良かった。

あと、強い違和感を覚えたのは、園児の顔がウェブサイトのあらゆるページに堂々と掲載されている点。ぼかしも何もありません。くっきりはっきり園児達の顔が見えます。プライヴァシーのプの字もありません。保護者さん達はクレームを付けないのだろうか。当塾も曲がりなりにウェブサイトを運営していますが、生徒さんの顔をウェブサイトに載せようなんて夢にも思ったことはありません。

そうそう、運営者には中国人や韓国人を侮蔑・嫌悪するような言動が多いと報道されていました。その時点でお里が知れると私なんかは思いますが、ウェブサイトで教育内容を見てみると「論語・大學」が挙げられていました。いや、孔子先生やお弟子さん達は中国人なんだけどね(笑)。

教育内容を細かく見ていたのは、ちょっと危惧感があったからです。ひょっとして私の敬愛する本居宣長先生を持ち上げたりしていないだろうかという危惧感です。

万葉集や古事記を解釈するためには、漢籍の影響を徹底的に排除すべし、「からごころ(漢意)」を棄てて「やまとごころ」に従うべし、というのは本居宣長の著作全体に響き渡る通奏低音のような主張なんですが、ひょっとして、この主張を曲解したりしていないだろうか。

教育内容を見渡して安心しました。本居宣長の「も」の字もありませんでした。そこまでの知識はなかったと思われます。

私はノリー先生のファン。確かに彼の主張自体には首をかしげる点も多々あります。ただ、彼には純粋かつ強烈な向学心があっただけで、他民族に対する蔑視はありません。爽やかな風が吹いている。民族や出自で差別するようなケチな人とは違う。


今回の話はあらゆる点で胡散臭いんですが、塾ブログなので政治面には立ち入りますまい。ただ、今後の道筋を客観的に考えると暗い気持ちになります。

小学校不認可

国有地を原状回復して返還する義務が発生

学園が多額の債務を負う

補助金の返還も求められる

更に債務がふくれあがる

学園が倒産状態に陥る

国有地上の建築途中物件は放置

国有地は更地よりかなり安価にしか換価できない

国の得べかりし利益を失う

国民全員に損失が及ぶ

ま、結局は、このブログをお読み下さるあなたや私が税として負担するということですね。はぁ……。

それにしても、今まで交流があったとされる政治家達の手のひらは時速300km以上で返っていきますね。目を見張るほどのスピード。MotoGPレベルです。