「源氏物語」は源頼朝・源義経の物語ではありません

マジ?と思った話。

「源氏なのに義経が出てこない」の苦情受け…源氏物語ミュージアムで企画展 – 産経WEST

以前当ブログでも取り上げたことのある「源氏物語ミュージアム」の話です。同博物館を訪れる人から「『源氏』なのに頼朝も義経も出てこない」との意見が出ることもあるそうで、今回、源平合戦に関する展示を行うに至ったとの由。

いや、そんな意見無視していいと思うんだけど。源氏物語は高貴な生まれのイケメン、光源氏の話です。雅やかな王朝恋愛譚。一方、源平合戦は平家物語に代表される雄々しき軍記物語。源頼朝や源義経はこっちの人物。背景が全然違います。

おしゃれなフランス恋愛映画と、厭戦感漂うベトナム戦争ドキュメンタリー映画の豪華二本立て!なんて上映しても、お客さんが入らないですよね。客層が全然違う。

フランスの象徴派詩人アルチュール・ランボーの博物館で、シルベスター・スタローンの映画『ランボー』が上映されていたら笑いますよね。戦場帰りのマッチョな詩人がどこかに籠城して詩を書きまくるとか(笑)。今回の話、それぐらい違和感があります。どっちが優れているという話をしているわけではありません。古典に疎い人を勘違いさせてしまうんじゃないか。どうせだったら、往年のアイドル「光GENJI」のローラースケートを展示してみるのもいいかも。しゃかりきコロンブス。

さすがにそれは冗談としても、ひょっとしたら、マニアックなファンをおびき寄せるために、あえてミスリーディングなことをしているとか?それなら完全に相手の術策にはまってます、私(笑)。「源平盛衰記図会」なんかは一度見てみたいし。

受験生はちゃんと覚えておいて下さいね。「源氏物語」は源頼朝や源義経の物語ではありません。彼らが登場するのは「平家物語」です。