最近、憲法学がホットだなと思います。不肖私、大学では一応憲法のゼミに属しておりましたので、それなりに憲法関連の知識はある方かと思います。
先頃、国会に招致された学者の方々が、今の安全保障関連法案は違憲だと堂々とおっしゃいましたが、そのニュースを見て思わず吹き出してしまいました。
いや、法案の違憲性・合憲性をこのブログで論じようという訳ではありません。内閣が法案を成立させようとするときに、政府与党が反対意見の参考人を呼んできてどうするねん、と。
私がラーメン店を開いたとします。いや、そんな能力はないのであくまでもたとえ話ですよ。開業当初ということもあって、宣伝活動に力を入れるでしょう。自店のラーメンを褒めてくれる人がいればいいな、できれば著名人にマスコミで話してもらえたらいいな。そうだ、知り合いに芸能人がいたっけ。
芸能人の彼に連絡を取ると快く引き受けてくれた。何でもグルメ番組で取り上げてくれるらしい。よし、これで繁盛間違いなし!と思っていたら、彼がテレビでのたまう。「何ですか、このラーメン。くそマズいですね。根本的にラーメンが分かっていない。こんな店に食べに来ちゃダメ。」
こんなのなら、取り上げてもらわない方がましですよね。
大体、政府主催の公聴会なんかに出席する学者さんは、政府と同じ方向性の見解を有する人の中から選ぶことになっています。内閣が熱心に推進する法案を審議する国会ならなおのことでしょう。
ずいぶん前、某省庁官僚をしている先輩と話をしていて、公聴会の話題になったことがあります。「あれって出席する学者に反対派を絶対に選ばないですよね〜」と言うと、「んなこと当たり前やろ!というか、反対派の知識人を呼んできたら首が飛ぶわ!」と笑ってらっしゃいました。今回は誰かの首が飛んだのかも(笑)。
憲法審査会に出席された長谷部教授や小林教授が、安易に政府の意向をくみ取るような人たちとも思えません。個人的には、立憲主義の「り」の字も理解していないような議員達に、「お前らもっと勉強しろよ」とお灸を据えて下さったような気がしています。
憲法の教科書を読んだこともなければ、憲法の条文を読んだこともないような人たちが、公の場で憲法を論じる。それって、仕事帰りのサラリーマンが、居酒屋でイチローのバッティングを議論しているのと同レベルだと思います。