四天王寺

夜の四天王寺に出かけてきました。

お盆の期間は万灯供養として、通常入れない五重塔・金堂・回廊の部分に入ることができます。これらの伽藍は戦災にあったため、戦後再建された鉄筋コンクリート造り。そんなわけで、奈良や京都の社寺のような味わいには少し欠けるうらみがあるんですが、お盆の夜はあまたの灯火で良いムードです。大阪市内にこれだけ大きなスペースがあること自体、ホッとさせてくれることですよね。

受験生が日本史を勉強する際、必ず覚えないといけないのが、古いお寺の伽藍配置。四天王寺と法隆寺の配置は特に重要ですが、一度実際の寺を見ておくと、まず忘れないでしょう。写真は南東側から北側を眺めています。いわゆる四天王寺式伽藍配置で、五重塔から金堂を望むかたちになっています。
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下記サイトの図と比べてもらうと、よく理解できるかと。
http://www10.ocn.ne.jp/~mk123456/garann.htm

四天王寺は上町台地の稜線上にあるため、かつては間近に迫っていた海辺を一望できたようです(今は海岸線が遠ざかっていることに加えて、ビルなどが建ち並んでいるので到底無理ですが)。

そのころの日没はさぞ美しかったであろうと思いますが、その風景をもとに西方浄土への信仰の中心地ともなっていたようです。

春分・秋分の日には、東門とぴったり同じ場所から日が昇り、西門とぴったり同じ場所に日が沈むよう設計されているのも、そのあたりと関係があるのかもしれません。

私事になりますが、亡き父が晩年入院していた病院も上町台地上にあったため、西向きの病室からは、美しい夕日が見えていました。父が世を去って8年になりますが、四天王寺近辺から夕焼けを眺めると、いまだに切なくなってしまいます。

四天王寺に興味のある方は公式サイトやwikipediaをどうぞ。