大阪市天王寺区長から、息子の通う学校を介して、「学校選択制と指定外就学の基準拡大にかかるアンケート調査」の依頼がありました。この件、以前にもアンケート調査があり、下記のブログ記事にしたんですが、またまた同じようなアンケートです。
なんでも、今回は「最終的な方針案をとりまとめるため」「全ての保護者の皆様を対象に意向調査をさせていただきます」とのことで、面倒ではあるんですが、一保護者として回答せざるをえません。
このアンケートには、以前行われたアンケートのデータが添付されていたんですが、こちらはなかなか興味深いものがあります。私も実際に回答した者の一人ですし、情報公開は民主主義の大前提ですから、ここに基礎情報としてデータを記載しておきたいと思います。
議論を広げるのは大変なので、「大阪市立小学校の選択制について」というテーマに絞っておきます。
平成24年(2012年)5月実施のアンケート結果
調査対象は以下の通り。
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 2229人
小学生の保護者 3168人
一般区民(区政モニター) 1000人
全体 6397人回答回収数は以下の通り。
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 1141人
小学生の保護者 1779人
一般区民(区政モニター) 442人
全体 3362人<小学校の選択制について>
賛成又はどちらかというと賛成
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 47.5%
小学生の保護者 27.9%
一般区民(区政モニター) 30.6%
全体 34.9%反対又はどちらかというと反対
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 43.8%
小学生の保護者 62.3%
一般区民(区政モニター) 61.6%
全体 55.9%どちらでもよい又はその他又は無回答
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 8.7%
小学生の保護者 9.8%
一般区民(区政モニター) 7.8%
全体 9.2%
平成24年(2012年)9月〜12月に実施された意見聴取会及び戸別訪問によるアンケート結果
調査対象は以下の通り。
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 1551人
小学生の保護者 2502人
全体 4053人回答回収数は以下の通り。
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 164人
小学生の保護者 870人
全体 1034人<小学校の選択制について>
賛成又はどちらかというと賛成
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 40.9%
小学生の保護者 20.5%
全体 23.7%反対又はどちらかというと反対
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 51.8%
小学生の保護者 70.2%
全体 67.3%どちらでもよい又はその他又は無回答
就学前の子ども(幼稚園・保育所)の保護者 7.3%
小学生の保護者 9.3%
全体 9.0%
上記データを見ると、時間の経過と共に、小学校を選択制とすることに反対する人の割合が増えていることが分かります。特に注目されるのは、2回目アンケートにおいて、「小学生保護者の反対率が70.2%に上っている」ということです。
個人的には、学識経験者の議論より、大切な子どもを実際に小学校に通わせている保護者の意見の方が、はるかに重要視されるべきものだと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。ややこしい憲法学の議論を持ち出すまでもなく、地方自治は住民自治ですからね。
今後、天王寺区・大阪市の学校選択制に関する議論がどのような結論に至るかは私も分かりません。しかし、上記データが、区政や市政の地方自治としての成熟度を測るものさしになることは間違い無いでしょう。マスコミもあまり詳細なデータは伝えてくれませんから、このブログ記事が一つの判断材料になれば幸いです。
ともあれ、現場に我が子を置く保護者の7割以上が反対する制度を区・市が導入するか否かは結構な見物だと思います。