成績の良い小学生が塾に通う意義

成績が芳しくない小学生が塾に通うことは、成績向上という点から意義があります。言うまでもないことでしょう。

では、成績優秀な小学生の場合、具体的には国語・算数・理科・社会がすべて評価「5」であるというような場合、塾に通う意義はあるんでしょうか?

よく尋ねられる質問なので、一度ブログの記事にまとめておこうと思います。

まず、私立中学を受験される場合は、通塾の必要があることは言うまでもありません。小学校の勉強と中学受験の勉強は全く別次元だからです。

問題は、公立中学に進学される場合です。

結論から言いますと、公立中学進学の場合も、成績優秀な小学生が塾に通う意義は大いにあります。より正確には、そういう子ほど塾の必要性が高いのではないかと思っています。

学校の通知簿のシステム上、成績評価の最上限は、「5」または「A」となっていますが、このレベルには様々な段階があります。
(以下、話を5段階評価に絞りますが、ABC評価・3段階評価でも事は同じです。)

「5」の評価を受ける小学生の中には、学力がギリギリ「5」の子もいれば、「8」の子もいるでしょう。「10」の小学生・「15」の小学生もきっといるはず。私の感覚からすると、いわゆる難関中学に入るレベルの小学生は、「30~50」ぐらいの成績が取れそうなイメージがあります。

もちろん、通知簿のシステム上、成績は「5」までしか取りえないわけですが、「5」には、最上限という性質上、あらゆる層が混在しているということはお分かりいただけるかと思います。

中学受験はせず公立中学に進むから、「5」が取れていれば十分だよと思われるかもしれませんが、易きに流れずにもっと勉強しておくべきだと考えます。勉強にはいくらでも上のレベルがありますし、どんどん上のレベルを目指すことが、成績優秀な子にとってはためになるからです。

思い出話で恐縮ですが、私自身、小さな頃から勉強は好きな方でした。親に頼みこんで小学4年生から塾に通わせてもらったんですが、その塾長先生が私に目を掛け、上級の問題をジャカスカ解かせて下さったんですね。中学受験の「ちゅ」の字もない時代でしたので、牧歌的な雰囲気ではあったんですが、とても楽しい思い出として胸に残っています。

今振り返ってみると、そのころの勉強は、後々の勉強の基礎の一つになっているように思います。


話が若干それてしまいましたが、小学生の頃の成績「5」が、必ずしも、中学校での好成績→難関高校への進学という風につながる訳ではない、むしろつながる方が稀である、ということも付言しておきたいと思います。

国語・算数・理科・社会がすべて評価「5」でも、公立中学進学後徐々に教科内容が理解しづらくなり、最終的には中位レベルの高校に進学するのも危うくなる、なんてケースはごまんとあります。

個々人の理解力の問題があるので、やむを得ないところはあるんですが、上記のようなケースでも、慢心せずに勉強していれば、そこそこの成績は維持できたであろうと思われます。

少し消極的ではありますが、リスクを回避するという意味でも、成績優秀な子が塾に通う意義はあると考える次第です。


もちろん、学校から「5」の評価をもらうことを目指して勉強するのは素晴らしい事ですし、「5」が取れれば自信にもつながることでしょう。ただ、それに止まらず、どんどん上のレベルを目指して勉強することは、とても楽しく意義深いことだということを分かっていただければ、と常々思っております。