大阪北部地震の一日 – 息子たちを学校に迎えに行った話&当日の道路状況

2018年6月18日早朝の大阪北部地震。我が家も大変な揺れで、阪神大震災を彷彿とさせました。大阪市天王寺区に関しては、阪神大震災の時と同じような強度の揺れ(震度4程度)だったように思うんですが、大阪北部では震度6弱を記録しました。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

地震発生が月曜日早朝ということで、通勤通学途上の方々は大変な目に遭われたことと存じますが、私たちもそれなりに大変な一日を送ることとなりました。

当塾の場合、月曜日は授業こそ設定してはいないんですが、大量にある授業準備や雑務を朝からこなす日にあてておりまして、地震当日も朝7時前には起きだして、何やかやと用事をこなしておりました。で、問題の午前7時58分。尋常ならざる揺れを感じた私は、在宅していた妻と母の無事を確認した上で、息子の安否連絡を待つこととしました。こういう時のために携帯電話をもたせてあります。

息子は週一回の全校朝礼があるために朝早くから近鉄電車に乗って登校しておりましたので、おそらく既に学園前駅か学校敷地内にいることでしょう。しばらくして息子から無事を知らせる連絡が来ました。駅舎にいたようで、別のホームの電車が衝突したのかと思ったとの由。初めての経験とあって少し興奮気味です。

当方からは、本日の学校授業はおそらく実施されないであろうこと、近鉄電車などの交通機関がしばらくマヒするであろうこと、先生の指示を待って行動すること、自力で帰宅することが難しければ遠慮なく私に迎えを依頼しても構わないことを手短に伝えました。同時に妻は即座に実家の方に連絡して安否を確認してくれていました。全員無事でなにより。

その後、カーシェアリングの自動車を6時間程度押さえておきます。私は自動車を持たない主義なんですが(圧倒的にバイク派なのです)、自宅の前を初めとしてシェアリングされている自動車が大量にあるので、全くといってよいほど不便は感じません。というか、逆に便利なんです(保険も税金も車庫も洗車も給油もメンテも何も考えなくて良い)。ただ、こうした非常事態には予約が殺到することも考えられるので、速攻で車を押さえておきます。ここまでで地震発生時から5~6分程度の話。


その後、教室や自室などをチェックし、本棚から落ちた書籍を整理したり、外壁を見て回ったりしていると、ご近所の会社の社長夫人がおいでになりました。お話を伺ってみると、例のツバメの件です(って、いきなり「例のツバメの件」と言われてもお分かりにならないですよね。ご興味のある方は下記記事をごらん下さい)。

巣から落ちたツバメの雛の話

何でも、ツバメの巣が壊され、4羽いた雛が1羽を除き見当たらないとの由。早速見に行ってみると、確かに巣の大部分が壊れており、雛が見当たりません。1羽だけが道路を挟んだ向かいマンションの植え込みの下に逃げ込んでいるらしい。

前回と同様、鳩首を集めて相談です。巣を壊したのがカラスであるという可能性もないわけではないですが、カラスが雛を襲撃した場合は巣の下に羽や血が散乱するらしい。それがないことや雛の生育状況から考えて、今見当たらない3羽はこれを機会に巣立ったのであろうということになりました(実際、後日少し頼りなげなツバメが飛んでいるのを見たので間違いないと思います)。

問題は植え込みの下でじっとしている雛君です。地べたに四つん這いになって覗き込んでみると、いましたいました。身体を小さくしておびえています。ちょっと奥手なツバメなのか、まだスイスイ飛ぶのは無理なようです。

このままだと、猫に襲われて落命することも考えられるので、巣を修繕して戻してやろうということに衆議一決。近所の会社の方が巣を修復して下さいました。私は雛を保護(捕獲?)し、再び脚立に登って巣へと戻してやりました。前回と異なり、今回は鳴き声も大きく、目もしっかりと見開いています。悪さをしようというわけじゃないよ、助けてやってるんだからそんなに鳴かなくてもいいよと、なだめながら巣へ戻してやりました。怖かったのか脱糞されたんですけどね(笑)。後は親の最後の哺育を待つだけです。


そうこうしているうちに、息子から何度目かの連絡。曰く、近鉄電車が全面的に停止していていつ帰宅できるかが分からない、できれば学校まで迎えに来て欲しい、と。

「OK!今日は幸いなことに授業がないから、仕事の方は融通を利かせられるし、すぐに向かうわ。大渋滞もありえるからバイクで行くことにするわ。」

「ごめん、友達二人も乗せてもらいたいんだけど、だめかな?」

「もちろんいいよ、ただ、それだったら自動車で向かうことになるから、ちょっと時間はかかると思うぞ。それまで学校で待機しておける?」

「うん、大丈夫。」


こうした状況下で最も機動力があるのは、やっぱりバイクです。とりわけオフロードバイク。道路が悪路と化している可能性があり(溢水や地割れなど)、しかも大渋滞が予想されるような場合、自動車では大変な時間がかかるどころか、目的地に到達できない可能性すらあります。今こそ我がマシンとスキルの威力を発揮できると意気込んだんですが……(笑)。

実は昨年の中学入試前、息子が受験する中学校については、バイクによる実際の移動時間を調査してありました。というのも、入試当日に公共交通機関がストップする可能性もあるからです。そんな日に自動車で移動しても大渋滞に巻き込まれるのがオチで、開始時刻に間に合うとは思えません。いざという時は私がバイクに息子を乗せてすっ飛ばす、という想定です。

私が奈良に向かう際は、大体の場合、阪奈道路を利用します。大阪と奈良を結ぶ幹線道路なんですが、この道路にたどり着くまでがなかなか大変。大阪の東西道路交通の貧弱さのために、平日昼間などは、我が家から阪奈道路に取りつくまでに約一時間を必要とします。

今は第二阪奈道路という有料道路(生駒山を貫通している自動車専用トンネル)がありまして、これと阪神高速を併用すれば我が家から奈良市中心地まで30分程度なんですが、バイク一人で利用するにはどうも割高感が……。片道で1500円程度するんですよね。自分がバイクに乗る際は大抵の場合遊びなので、家族で車に乗って出かけでもしない限り、このルートを使うことはありませんでした。

ただ、息子を最速で受験会場に送り届ける予行演習として、のんびり下道を進むわけにはいかないので、2016年の末、仕事が休みの日にバイクで学校の前まで走ってみて所要時間を計っておいたんですよね。

上記高速道路ルートを使った結果は、我が家から奈良県境までで約10分、学園前駅までで25分程度。って、これ、あんまり書かない方がいいかもしれないですね(笑)。


前述のカーシェアリング予約の際、息子だけではなく、帰路に困っている友人も送ってあげる必要があるかもしれぬということで、7人乗りのミニバンを予約しておいたのは、我ながら賢明でした。ただ、地震後、公共交通機関が全く機能していないとあって、移動時間を読むことが難しい。

息子からの連絡を受けた後、私と妻はすぐに自動車で奈良への移動を始めたんですが、大通りは既に混雑し始めていました。この調子だと、下道ではどれだけ時間がかかるか分かりませんので、迷うことなく阪神高速の森ノ宮入路に向かったんですが、あらら、通行止めです。阪神高速が全面通行止めとなっていたのでした。

もちろん、出発前に道路状況をネットで調べておいたんですが、まだ最新状況が反映されていなかったんですね。阪神大震災の時のことを思い出してみればそれも道理で(高速道路が倒壊して屏風のようになりましたよね)、やむを得ない話です。とりあえず下道で東大阪の水走(みずはい)まで出て、その場の状況次第で、第二阪奈道路と阪奈道路のいずれを利用するかを決定することとしました。

が、東へ向かう中央大通りは大混雑。地震直後、急を要しない場合は車輌を利用すべきでないというのが公共ルールでしょうが、私たちも含め、みんな微妙な線だったのではないかと思います。帰宅の足を失った人々を迎えに行くという場合、自動車を利用して良いのか、正直あまり自信が持てません。

いずれにせよ、このまま幹線道路でジワジワ進んでいても、文字通り日が暮れてしまいます。行くぜ脇道!Googleマップの助けも借りながら、一流の地理感覚(エヘン)でこまねずみのように進みます。ギリギリの狭い道をなんとか進んでゆくんですが、こういう時、ミニバンは使い勝手が悪いんですよね。

私が運転している間、妻には第二阪奈の状況を調べてもらっていたんですが、こちらもやっぱり全面通行止め。仕方がない。阪奈道路で奈良に向かうこととします。予想通り阪奈道路に取りつくまではかなりの時間を要したものの、阪奈道路以降は通常とさほど変わらない交通量になり、結局2時間程度で学校に到着しました。

正門前のロータリーで息子に連絡すると、息子と友人達が走ってきました。そんなに走らなくてもいいのに(笑)。すごく礼儀正しい子達で、私たちが途中で用意したおにぎりやお茶にも手を付けません。「遠慮せんでええよ~」と言うんですが、私も中学生ぐらいだったらこんな感じだったかなと、ちょっとほほ笑ましい気になります。あ、今はとても厚かましい人間に成り下がっていますけれど(笑)。

同乗する二人に自宅の住所を聞き、ルートを決定します。大阪の南部に住む子がいたので、そこを最初に回り、その後阿倍野区→自宅(天王寺区)という道筋をたどることにしましたが、問題は高速道路の供用状況です。

この時点では第二阪奈が供用を再開していたので、それは利用するとして、その先の阪神高速や近畿自動車道がまだ全面停止という状態でした。進んでいるうちに供用が再開されるのではないかという予測のもと、第二阪奈に入ったんですが、出口前の2kmは大渋滞。全くといっていいほど進みません。

ご存知の方もいるかもしれませんが、第二阪奈から阪神高速に乗らずに下道に下りる部分は非常に狭隘です。しかも下りてすぐの場所に信号機があります。なるほど、あそこがボトルネックになっているんだな、この調子だと2kmを進むのに何時間掛かるか分からないなと思いつつハンドルを握っていましたが、数十分後、突如として右側車線が流れだしました。ネットにはまだ再開状況は表示されていませんが、阪神高速が再開したに違いありません。

そこからは、がら空きの阪神高速→近畿自動車道とスムーズに進行。高速道路上では消防車などの緊急車輌を多く見かけました。やはり大阪北部への応援なんでしょうか。

礼儀正しい友人二人をそれぞれの自宅まで送り届け、我が家に戻ってくるともう夕方。塾生の保護者様方もご不安だろうということで、少し地震に関するブログ記事を書き、お知らせを作成しているともう夜中。月曜日にこなすべき仕事は先送りになりましたが、地震が相手ではしようがありません。

そんなわけで先週一週間は、先送りした仕事の穴埋めに追われておりました。ちょっとブログの方がご無沙汰になっておりましたのは、そういう次第でして。

地震時の記録(特に道路状況の記録)として書いてみた記事ですが、「有効活用されない」のが一番ですね。再び大きな地震が訪れないことを心より願っております。