先日、第13回別府アルゲリッチ音楽祭(5月8日~13日)が開催されたという話を新聞で読みました。マルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)は好きなピアニストですが、不勉強でこの別府アルゲリッチ音楽祭についてはよく知りませんでした。
記事によると、大震災の2日後、予定通り開催すべきか否か迷っていたプロデューサーのもとに、アルゲリッチ本人から、「こういう時だからこそ音楽祭をやらねば」と激励の電話があったとの由。この音楽祭の演奏はCD化され、売り上げのすべてが被災者への義援金として寄付されるとのことですから、社会的にも意義がある音楽祭だと思います。
2011.6.8の毎日新聞夕刊文化面によると、
ソロではヒナステラ「3つのアルゼンチン舞曲より」で、悲嘆と激情の激しい表現を繰り広げ、演奏中にツメが割れ鍵盤に血が飛び散る情景もあった。
こ、怖い……。でも、アルゲリッチにとても似合う情景のようにも思えます。
アルゲリッチをご存じない方のために、少し紹介しておきましょう。アルゲリッチは、アルゼンチン・ブエノスアイレス出身の女性ピアニスト。Wikipediaにもある通り、「現在、世界のクラシック音楽界で最も高い評価を受けているピアニストの一人」と言ってよいでしょう。
1965年にショパン国際ピアノコンクールで優勝、この一事で超一流のピアニストであるということは証明されると思います。私生活の方は、なかなか波乱万丈なんですが、ピアノ演奏では、その激情性がとても上手く活かされるタイプの人なのではないかと感じます。
<参考記事>
マルタ・アルゲリッチ – Wikipedia
ショパン・イヤー&ラファウ・ブレハッチ:国語塾・宮田塾のブログ
若い頃の彼女は、美貌も兼ね備えておりまして、恐い物なし(笑)。今で言えば、ちょうど女優のペネロペ・クルスのような風貌。かく言う私も、リアルタイムで知っているのは、お年を召してからなんですけどね。
百聞は一見にしかず、若い頃と現在の映像を紹介しておきます。
Martha Argerich plays Chopin
ショパンのマズルカOp.24-2とOp.41-2の2曲。私はマズルカOp.24-2を聴くと、(行ったことはないけれど)いつもポーランドの田舎の夏の朝を思います。今日一日何をして楽しもうか、なんて考えているショパンの少年時代を想像するんですが、彼女の演奏はとても丁寧にショパンの思いをなぞっているように聞こえます。
マルタ・アルゲリッチ – バッハ パルティ―タ 第2番 – 2008年ヴェルビエ音楽祭
J.S.バッハのパルティータ2番(6.Capriccio)。清冽な演奏に胸を打たれます。この曲、いつもグレン・グールドの演奏で聴いているんですが、勝るとも劣らない名演奏。
またCDを購入せねば。