さっきネットで新聞を読んでいて見つけたニュース。マジで吹き出しましたよ。お茶代返せ(笑)。
大阪府と奈良県で主に小中学生向けの進学塾「類(るい)塾」を経営する類設計室(大阪市淀川区)が、講師の大半を取締役に就かせ、残業代を支払わないとして、元講師らから相次いで訴訟を起こされていたことがわかった。既に裁判所が残業代の支払いを命じたケースも出ている。講師側の代理人を務めた渡辺輝人弁護士は「長時間労働を強いるために、実態のない取締役に就かせている」と批判している。
(残業代ない「名ばかり取締役」 塾の元講師、提訴相次ぐ:朝日新聞デジタル 2017年7月5日00時11分 より引用)
ふんふん、労働法の精神を踏みにじる事実上の脱法行為ですね。そりゃ訴訟にも負けるでしょう。
私が吹き出したのは次の部分。
同社の法人登記によると今月現在、「取締役」が400人以上いる。取材に対し、同社の担当者は「社員は取締役になり、誰もが会社運営に関与する」「労働時間も各自の裁量に任せていた」とし、残業代は支払ってこなかったという。
(残業代ない「名ばかり取締役」 塾の元講師、提訴相次ぐ:朝日新聞デジタル 2017年7月5日00時11分 より引用)
取締役が400人って(笑)。どんな厄介、じゃなかった、役会なんでしょうね。株主総会みたいな感じ?この塾のことはほとんど知らず、知り合いの方もいないので分かりませんが、講師の名刺には「取締役」って書いてあったんでしょうかね。いや、講師さんの立場に立てば笑い話ではないんですが、文字通り桁外れの取締役員数です。
何かの仕事を他社に依頼する際、見積もりを取ることがあります。私の場合は商売人の家に生まれていますから、そこらへんはニコニコしながらも、結構シビアです。一社だけの見積もりで契約するなんて考えたこともありません。数社に相見積もりを出してもらって比較検討します。
ウチはもちろん零細企業ですので、見積もりのためにやってくる相手さんも零細・中小企業が多くなります。で、担当者さんに名刺をいただくと、小さな企業の方に限って「CEO」なんて肩書きが書いてある。失礼ながら「???」と名刺を見つめていると、「あ、それ『最高経営者』っていう意味なんですよ」なんて言われたりする。
「そんなことは知ってるよ、chief executive officer の略なんだよ、英米法の概念で、日本の会社法制では特段内実のない概念なんだよ、そもそも正確には『最高経営責任者』って訳すんだよ」と思いつつ、「そうなんですか〜」と笑顔でスルーする私は結構老獪なタヌキかもしれません(笑)。
思うんですが、「社長」とか「代表」とかの肩書きじゃダメなんでしょうか。名称なんて分かりやすいほうがいいやんか……。仕事の内容さえしっかりしてたら肩書きなんてどうでもいいやんか……。
そういうのって社名なんかにも現れると思うんですよね。ものすごく複雑な名称が一見かっこいい会社があったりしますが、何を主たる業務としている会社かよく分からない。経営者は「えっへん」と思っているのかもしれませんが、顧客の方を向いていない独りよがりなネーミングだなといつも感じてしまいます。
後ろ暗いところがある企業ならいざ知らず、普通の企業は普通のネーミングの方が顧客に受け入れられやすいと思うんですよね。お医者さんなら「○○医院」「○○クリニック」、本屋さんなら「○○書店」「○○書房」、魚屋さんなら「○○鮮魚店」。誰も迷わない。
15年ほど前に当塾を開業したとき、塾名を妻と一応相談したんですが、3秒未満で決定しました。宮田の運営する塾だから「宮田塾」でいいんとちゃう?うん、いいよ。深い考えゼロ。
専門的な国語指導の要望がすごく多くなってきたし、そっちは新しい部門として運営したほうがいいね。そうやな、国語を専門に指導する方は、「宮田国語塾」ってしとこうか?うん、いいよ。またまた、深い考えゼロ(笑)。
でもそれでいいんだと思っています。利用しようとお考え下さる方が第一です。外部の方が分かりやすいに越したことはない。ユーザーファースト。現代のようにネット検索が一般化してくると、なおのこと平易な名称を付けるのが正解だという気がします。
ま、私がCEOを名乗るのは、当塾がアップルやソニーぐらいの規模にまで成長してからにしたいと思います(笑)。