「どうすれば集中力が身に付くのか」
よく質問されるんですが、結論から申し上げますと、これといった対策はありません。無責任に聞こえるかもしれませんが、「○○すれば集中力が一気にアップ」なんてことを、根拠もなく言うよりはいいでしょう。
当たり前のことですが、集中力は、日々の作業や勉強を通じて身に付けるしかありません。逆に言えば、即効性のある手段はない。
自分自身、それほど集中力に欠けているわけでもないんですが、小学生や受験生を指導する立場上、いくつかの書物を読んでみたことがあります。いわゆるメンタルコントロールの方法論です。
思うに、こうした方法論は、一定以上の集中力を有する人が、さらに問題解決能力を高めるべく集中度を高めるための手段だという気がします。つまり、根本的に集中力を欠く小学生・中学生にはあまり適用の余地がない。
成長に応じて集中力は徐々に増してゆくわけですが、経験上、幼少時の集中力から劇的に変化するということはあまりありません。言い換えれば、人それぞれ生まれつきの集中力があって、そこから大きく離れることはない気がします。
そうだとすれば、「各自の集中力を高める」よりも、「各自の持っている集中力の中でなんとかやり繰りする」方が現実的なのではないか。
3時間集中力が持続する人はそれを前提とした勉強や仕事のスタイルをとればよく、10分しか集中力が持続しない人はそれを前提とした勉強や仕事のスタイルをとればよい、ということです。
具体的には、あまり集中力の持たない人は、15分勉強→3分休憩→15分勉強→3分休憩、という感じにするとか、1時間で5科目を勉強するとか、そういう類の手段をとるべきだということです。
もちろん、集中力がある方が有利は有利ですが、無いなら無いで、方法をうまく考えることにより、十分勉強や仕事に対処出来るであろうと思っています。
塾の方でも、集中力の範囲内で最大限の効果が上がるような手段を考えたり、集中力が持続するような工夫を凝らしたり、色々と試行錯誤しております。