塾の選び方・塾の裏話 #2

今回は「講師の待遇(給料)」の話です。

当たり前の話ですが、誰だって待遇の良いところで働きたいですよね。「やりがい」ももちろん大切ですが、あまりに薄給ではやる気も失せるはず。待遇・条件のよいところに、優秀な人材が集まるのは世の常です。

とすれば、塾選びという観点からしても、講師の待遇(給料)というのは、結構大きなポイントなのではないかと思います。

当塾のようにアルバイトを雇わず代表&副代表だけで運営している場合、人件費がどうこうというのは考えなくてよいんですが(笑)、大規模な塾になればなるほど、講師の待遇がその塾の指導環境、ひいては学習環境を決定する要因になるはず。

そういうわけで、塾をお探しの方も、生徒募集の項目ばかりではなく、講師募集の項目をご覧になると面白いかと思います。あまり露骨に書くのは憚られますが、給与(時給)の多寡と講師の質にはやはり関連性があると思います。

上場企業などですと、ディスクロージャー(情報開示)の観点から、職員の平均年齢なども分かったりしますが、こちらも大いに参考になるかと思います。職員の平均年齢が若い場合、「元気な会社」というわけではありません。待遇の悪さによって離職率が高い会社だと考えるのが普通です。「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」という本(映画)がありましたが、あれを地で行く会社かも(笑)。

こうした事情を見透かされるのが嫌な会社は、よく屋号を変えて(別名義で)講師募集を行っています。こうすれば一般の人には、講師の待遇が分からないわけで、なかなか賢いやり方です。でも、このブログを読んでおられる方は、ネットで情報を集めておられる情報強者のはず。そんなチャチな目くらましにはひっからないですよね。グーグルなどを駆使すれば、すぐに情報は手に入ると思います。

あと、もう一つ付け加えておきますが、人に何かを教える場合、必要になる時間は授業時間だけではない、ということも念頭に置いて頂くとよいと思います。授業時間以外にも、「授業の準備時間」や「授業後に質問を受けて答える時間」が必要になってきます。真面目にやればやるほど、この付帯時間が長くなってくる、ということはご理解頂けるかと思います。

ここで試しに計算してみましょう。
(時給は計算しやすいように適当に決めています。)

 塾のアルバイト 時給1200円

 飲食店のアルバイト 時給900円

一見、塾のアルバイトの方が割がよいように見えますよね。しかし、真剣に取り組むと、1時間の授業につき、1時間の予習・準備時間、30分の質疑応答時間、が必要になったりします。実際の時給は、1200÷(1+1+0.5)=480円。飲食店の場合、自宅で予習や準備をしておく必要はないでしょうから(笑)、飲食店の方がはるかに割がよい、ということになります。

加えて、塾の場合、限られた時間しか勤務に入れないのが普通ですから、さらに効率が悪くなります。つまり、飲食店とくらべて勤務時間数も少なくなってしまう可能性が高いわけです。

今仮に私が大学生で、上記条件の二つのバイトからどちらかを選べと言われたら、迷うことなく飲食店のバイトを選びます。

では、塾のアルバイトを選んだ人は、どう対処しているのか。

もちろん、真面目な方は我慢してやっておられるんだと思います。が、「真面目にやらない」という選択も大いにあり得ると思います。つまり、授業準備・予習は一切やらない、生徒からの質問は受けない、というスタンスです。これなら経済的合理性はあることになる(笑)。

もちろん、道義的には大問題ですが、経済的合理性を前にすると道義というものは非常に弱いものです。

今日は、講師の待遇を調べるのも、塾を知る一つの手段になりますよ、というお話でした。