塾の選び方・塾の裏話 #6

塾の選び方・塾の裏話 #5「個別指導塾の選び方」の続きです。

● 指導講師が頻繁に変わるケース。

1年間で講師が2回変わり(1年間で合計3名の講師に教わったことになります)、しかもご家庭への報告が事後報告だったというケースを聞いたことがあります。それだけでも十分驚きに値しますが、毎週のように講師が変わるところもある(当番制?)との話。それはあまりに生徒や保護者さんを愚弄しているんじゃないかと思います。どう考えても、学力向上は難しい。

講師たるもの、生徒一人一人の成績や志望校はもちろん、性格・弱点・長所・これまでの勉強の経緯・ご家庭の環境などなどあらゆる情報を念頭において指導すべきですが、そうした情報を収集するのはなかなか骨が折れます。普段の授業で気を付けておくのはもちろんですが、保護者様との面談も必要になってきますからね。

講師同士で生徒情報を共有しているはずとお思いになるかもしれませんが、それは塾を買いかぶりすぎです。そうした情報を他人と共有しようとすれば、書面化または電子データ化しないとなりませんが、それ自体に大変なコストがかかります(塾側からすると人件費が増大する)。講師同士が頻繁にミーティングもしくは引き継ぎ作業をすればよいかもしれませんが、これまた大変な人件費が発生します。そんなわけで、おそらく、「テキストの○○ページまで進んでいる」程度の情報が引き継がれているだけでしょう。

結局、単元自体は進んでいるように見えても、指導の質という面では、講師が変わる度に再び一からスタートさせられているようなものです(同じ理由で、どんなレベルの生徒であれ、頻繁な転塾はお薦めしないんですが、それはまた稿を改めましょう)。

何かを習う際、指導者がどのような人間であるかというのは、本質的な部分だと思うんですよね。個別指導塾をお探しの場合は、少なくとも一年間を通じて同じ講師が指導するかどうかをお確かめになるべきだと思います。

● 講師が行き当たりばったりで指導しているケース。

以前書いたように、講師の待遇を下げると、何も準備(予習)しないまま授業に臨むケースが出てきます。毎回毎回講師に、「今日は何の勉強する~?」と聞かれて困惑した生徒の話を聞いたことがあります。「いやいや、それを決めて生徒を引っ張るのがお前の仕事なんだよ」と言うことができればいいんですが、子どもには無理ですからね(笑)。生徒に迎合した質の低い授業が展開されること必至です。

このあたりは、授業の中身そのものになるので、なかなか入塾前には判明しにくいところですね。できれば体験授業などでチェックされるのがよろしいかと思います。まぁ、体験授業だけ頑張られたら判断は難しいですが……。