授業に関係する連絡掲示板としての利用です。
関係のない方はお読み飛ばし下さい。
※常体(~である)と敬体(~です)は混ぜない方がいいでしょう。
小論文は原則として常体で書きます。
※立場の表明部分はOK
※確かに~しかし~の部分ですが、
「しかし」以下の部分をこう変えると良いでしょう。
確かに、……
しかし、それは実現不可能であると考える。以下に理由を述べる。
まず第一に、……
第二に、……
第三に、……
「確かに」の後は「実現できれば理想的だ」という内容なので、「しかし」の後は「実現できない」とした方が座りはよいですね。今の答案だと、「しかし」のあとにいきなり理由が列挙されていて、文章構造が少し不鮮明になっていると思います。
要するに、結論を最初にハッキリ述べて、第一・第二・第三の理由をあとで示してゆくというスタイルがよいでしょう。
※あと、書いてもらった理由の部分ですが、厳密に考えると、
第一と第三は「なぜ筆者の主張するような究極的国際化が不可能なのかの理由」
第二は「仮に究極的国際化が実現すると生じる不都合な結果」
となっています。
できれば、第二の記述も第一・第三のような「理由」にするとよいでしょう。ただ、内容自体は的確な指摘になっていると思いますので、順序を変えるという方法でもよいでしょう。次のような感じです。
まず第一に、……
第二に、……(書いてもらった第三の理由を入れる)
(ここまでが「なぜ筆者の主張するような究極的国際化が不可能なのかの理由」)
また、第三の理由として、仮に究極的国際化が実現したとしても、不都合な結果が生じることを挙げたい。それは……という点である。(以下詳しく書く)
※ここからは、それぞれの理由をもう少し整理してみましょう。概要と考えて下さい。
<第一の理由>
文化は風土に規定されるものだ
↓しかし
風土は世界各地でバラバラ
↓とすれば
文化を統一することは不可能
<第二の理由>
他者の排除は人間の本質的な性質(A)
↓
これは歴史も証明している
(ここで歴史的な事例をいくつか列挙する)
あくまでも歴史的事実は、(A)の部分を証明・補強する材料とする方がよいでしょう。「歴史を振り返ると無理だったからこれからも無理」という論拠では、筆者の主張(「歴史的な悲劇を乗り越えるために、これから『究極的国際化』を目指すのだ」)を突き崩せません。あくまでも、「人間が本質として『他者排除』という性格を有する」という点に力点を置くべきでしょう。
<第三の理由>(正確には究極的国際化の帰結)
世界で同一言語を使う→自国語廃れる、という主張は、筆者の主張に当然含まれているように思われます(つまり筆者の主張への反論にならない)。むしろ、同一言語を使う→自国語廃れる→国家の歴史を軽んじ無視することにつながる、という流れにして、「歴史無視」の部分に力点を置く方がよいでしょう。こんな感じです。
仮に筆者の言う究極的国際化が実現された場合
↓
全世界において同一言語を使うこととなる
↓これは
各民族が営々と築き上げてきた歴史を軽んじ無視することになる
↓なぜなら
歴史や民族の記憶はその母語によって織りなされるものだから
↓
歴史を見失った諸民族は未来への道しるべを失うことになる
↓
平和を求めているのに、逆に戦争や不幸を招いてしまう
上記を参考にまとめてみて下さい。
詳細はまた授業当日に伝えます。