国語記述問題に下書きは必要なし

大学入試国語の答案を作成する際のヒントになりそうなブログ記事を見つけました。京大経営管理大学院の川北先生のブログです。先日の京大入試を監督なさった際のご感想を記していらっしゃいます。

川北英隆のブログ – 京都大学 経営管理大学院 川北英隆ホームページ

以下、上記ブログ記事より引用。

文章で答えないといけない問題に関して、下書きをしている受験生が多い。字数の上限が与えられている場合であっても、適当に書けばいいのではないかと思うし、学生の頃はそうしていたものだ。僕の友人にも「下書きをしないと」と主張するのはいなかった。

世の中が慎重になったのか、妙に緻密になったのか。採点する側からすると(大学入試の採点は経験がないものの、他の試験の採点の例からすると)、ポイントを押さえて解答しているかどうかが最重要であり、文章の細かな上手下手までは評価する時間的余裕がない。もう少し言えば、そこまで評価すると主観が大いに入ってしまうので、むしろ避けている。ということで、下書きなしに大胆に答えていいと思うのだが。

国公立大学入試の国語では、結構な長さの答案を要求されることがあります。60〜100字程度を基本として、150字以上、200字〜300字程度の答案が求められることも珍しくはありません。

採点者の方もなかなか大変だろうと思うんですが、やはり記号選択式の問題からは窺えない「記述力」を見たいという事なんでしょう。

長くなればなるほど、「下書き」をしたくなるのが人情というものですが、答案の下書きは必要ありません。より正確には、下書きをしてはなりません。試験という限られた時間の中で、そんなことをしている暇はないからです。私も長年指導をしてきましたが、国語の問題については、生徒に下書きを要求したことは一度もありません。

国語記述問題の場合、解答の各要素に配点がなされているはずですから、答案にはその要素要素を落とさないように書く、それに尽きます。そうした要素を集める際も、本文中への線引き、または、単語レベルのメモ書きで十分です。あとは、頭の中で大まかなラインを作って、いきなり答案を書くべきです。

そんなことをしたら、字数の制限にうまく合わない答案になってしまうって?それは、答案作成の練習が足りません。練習を積んでいれば、「これぐらいの文章なら、これぐらいの文字数になるだろう」と嫌でも見えてきます。

そんなわけで、私が指導する際、生徒には自分で答案を作成することを要求しています。授業だけを聞いて分かった気になるのは、国語の場合とても危険なことが分かっていただけるかと思います。

あと、川北先生のブログ記事からも分かるように、文章の巧拙は、国語であってもほとんど点数と関係がありません。そりゃ、文章が上手いに越したことはありませんが、国語記述問題のポイントは、あくまでも「解答の要素がきちんと入っているか」ということです。しつこいようですが、これはいくら力説してもいいところでしょう。

もちろん、文法的な誤り(主語と述語が合致していない等)はダメですが、受験生には、美文をものす、流麗な文章を書くなんてことは入試国語で求められてはいないということを理解してもらいたいと思います。

最後に上記ブログ記事の末尾を引用させていただきましょう。

以上は日本全体が極端にマニュアル化した証拠のように思える。これでは大物は出てこない。

むむむ、返す言葉がございません。