森毅「もうろくの詩」2

「いじめ」についてもおもしろい指摘があります。

リベラルというのは、何より多様性を生かすこと。仲間というのは苦手。仲間には外を排除して内を抑圧する病理がある。いじめというのは、仲間意識の病気だと思う。古典的ないじめ集団は、帝国陸軍内務班の新兵いじめとか、旧家の嫁いじめとか、仲間意識が強い。
だから「仲間意識を育てていじめをなくしましょう」というのは矛盾していて、リベラリズムで仲間意識を解体するほうがよいと思っている。このところのいじめ問題の多発は、リベラリズムの不足が原因。
(中略)
いまだに校長さんあたり、「みんな仲間、ひとつにまとまって」などと説教しているのは、「これからは、多様な社員でいろいろあるのをコントロールするのが経営」と、気の利いた経営者がいっているのと対照的。

仕事柄、小学生から「いじめ」の話をよく聞きますが、究極的には、「みんな仲良く」という考えを捨てるしかないなと思います。人はそれぞれ。つきあいもそれぞれ。無理に仲良くしなくてもいい。

小学生の頃、先生から「みんな仲間なんだから仲良くしなさい」と言われるたびに、「そんなん嫌いなヤツもいるねんから無理やで~」と思っていたんですが、それぐらいの気持ちの方が子供も楽なんじゃないでしょうか。
(まぁ、そんな気持ちは言葉にすると叱られるので、黙って先生の話を聞いているふりをしている子供でしたが…。)