先日、息子とあるレストランに入ったときの話です。
豚カツをほおばっていると、息子が隣席に光る物を発見しました。
息子「あれ、となりの席に何か落ちてる!」
私「ほんと?パパ目が悪いから見えへんなぁ。ちょっと見てきて。」
息子「いち・ぜろ・ぜろ、って書いてある!3個もあるよ!」
確かに隣席にはカップルが座っていましたが、その二人が店を出てから既に10分近くが経過しています。今更追いかけても間に合わないでしょう。しかも、(財布ではなく)少額の現金ですから、わざわざ探しに戻ってくるとも思えません。
よく考えてみると、これは非常にラッキーな状況です。
いやいや、ネコババしようという訳ではありません(笑)。「落とし物を見つけたら届ける」というルールを教えるのに最適の場面ではないですか!
私「落とし物は見つけたら届けるねんで。さぁ、お店の人に届けに行こう!」
さすがに一人では恥ずかしそうでしたので、家族の者が付き添って店員さんに届けました。家族で「よくやったね!」「えらいな!」とやや大げさに褒めたので、息子も何やら誇らしそうな感じでありました。しめしめ。
「落とし物を届ける」というルール、なかなか実地体験をさせる機会に恵まれません。親がわざと落とし物をして届けさせる、というのもおかしな話ですしね。今回図らずも、こんな機会に恵まれてラッキーでありました。
「落とし物を届ける」というルールは小さなルールだと思います。しかし、このルールは、究極的には「小ずるいまねをしない」という規範につながってゆく気がします。
世の中には「小ずるい」人がいっぱいいますよね。そういう事実は息子にもわかってほしい。しかし、息子にそんな人にはなって欲しくない。私は強くそう思います。
正義などいった大げさな理念を振り回すまでもなく、もっと低レベルな損得勘定からいっても、小ずるい人は間違っていると思うんですよね。小ずるい振る舞いは、短期的には利益になっても、長期的には信頼や友好関係を損ない、当人の大きな損失につながるはずですから。
もちろんまだ4歳の息子には、こんな話はしていませんが、徐々に分かっていって欲しいと思うのです。
おそらく、今回の300円は店の「売り上げ」になってしまうでしょうが、そんなことは一向に構いません。こんな機会を作ってくれた見知らぬカップルに感謝したいと思います(笑)。