幼い子供の国語力向上

コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が再延長され、もはや「緊急」が「日常」になるという冗談のような日々が続きます。いつまでこんなことが続くのやら。

さて、国語関連の記事が求められているようなので、今日は「幼い子供の国語力向上」について雑感をば。

私達も小さなお子さんをお預かりして随分長くなります。考えてみると、もう20年近いんですよね。自分達でもびっくりです。

完全少人数制宮田塾の方は、国語以外の指導も行っておりますが、将来を見据えて「国語だけを専門的に指導してほしい」「記述力を強化してほしい」といったご要望もよく承ります。当塾は完全少人数制ゆえ極めてフレキシブルに対応いたしておりまして、国語をメインにして、算数は先取り的な内容を少しだけ指導、学校のテスト前には理科社会もちょっと、なんてパターンもあります。まあ、合理的な範囲であれば、「よろづ承り候」といったところでございます。

そんなわけで、かなりの数の小さなお子さんの国語を見てきたわけですが、初回の授業をさせてもらうと、そのお子さんが「国語で苦労するか否か」はほぼ完全に見通せます。私であれ、副代表であれ、(ちょっと偉そうですが)その判断には絶大な自信があります。というか外れたことがありません。

ただ、「苦労する」ということは「伸びない」と同義ではありません。時間がかなりかかるかもしれないけれど、(本人も保護者様も)挫けそうになるかもしれないけれど、努力は裏切りません。真面目にコツコツやってくれるお子さんは必ず国語力が伸びます。私達からすると、そんな子を伸ばさないでどうするという話ですね。

なかなか文章を把握する力が伸びず、したがって問題にもあやふやな解答をしてしまう生徒さんがいるとしましょう。この場合、集中しきれずそわそわして心ここにあらずというパターンなら、まず集中力を高めるところからスタートです。

ただ、集中して読んでいても、なかなか正確な文意理解・問題解答に至らない場合があります。私達は仕事で慣れているとしても、本人は歯がゆい気持ちでいっぱいでしょう。「こんなに頑張ってんのになんでバツばっかりなんかな……」

私達にも、なにか即効性のある手段があるわけではありません。文章がしっかり読めるようになるにはかなりの時間がかかると覚悟して、腰を据えるしかありません。「ここの言葉はこういう意味だよ」「この段落をもう一度だけしっかり読んでみよう」「ここはこの段落と同じような話をもう一度しているね」などと、生徒さんの努力を横からサポートするしかありません。

ただ、そこでめげず腐らず、話を聞いてしっかりと取り組んでくれる生徒さんは、必ずどこかの時点で読解力・学力が上がってきます。「あれっ?〇〇君、随分しっかり読めるようになってきたね。」「ふむふむ、△△さん、正答率が上がってきたね。」

完全少人数制宮田塾では、副代表が教室の前、代表の私が教室の後ろに陣取って生徒さんを見ていることが多く、比較的生徒さんの様子をよく観察している塾ではないかと思うんですが、上記のような時に生徒さんの行動面で違いが生じるかというと、それはほとんどありません。見た目は一緒。

ただ、日々の努力の結実として、心や頭の中に進歩が生まれているんでしょうね。大げさには褒めませんが、着実に伸びているよというメッセージを彼・彼女らに伝える時、実は私達も結構喜びに浸っています。爆発的な喜びではありませんが、静かに心が満たされるような喜びとでも申しますか。

お預かりしたお子さんの成長を見るというにとどまらず、めげずに頑張ってくれた本人や保護者様のお役に立てたという喜びなのかもしれません。

そんな日の夜には、副代表とお酒でもいただきながら……と言いたいところですが、私は全くの下戸なので、ヤクルトやら野菜ジュースやらを飲みながら上機嫌で話しております。年齢的に健康志向やねん(笑)。

読解指導はなかなか根気のいる作業であり、結果もすぐに出るわけではないので、親子ともどもめげそうになるかもしれません。コロナ禍の最中、ご自宅でお子さんと読解勉強をなさっている方々も、あせらず腰を据えて取り組んでいただければと思います。