暑苦しい音楽 Part1

お盆も終わりましたが、まだまだ暑いですね。体調を崩しやすい時期ですが、受験生には頑張ってもらいたいところです。

一説によると、大阪は日本でも一番暑苦しい場所だとの事。最高気温こそ四万十に譲るかもしれませんが、日中の平均気温や熱帯夜の継続性を考慮すると、大阪は暑苦しさの最高峰らしい。都市熱や海との距離なんかが影響しているんでしょうね。京都・神戸・奈良なんかだと、市街地でも大阪市内よりかなり涼しい感じがするので、納得できる説です。はぁ……。

さて、暑いときには、暑い音楽、否、暑苦しい音楽を聴きます。盛夏に辛いカレーを食すが如し。私の思う暑苦しい音楽をいくつかご紹介します。クラシックやジャズはどちらかというとクールな音楽なので、どうしてもポピュラー系統の音楽になりますね。

Bo Diddley – Bo Diddley (1955)

このモワ〜ッとした単調なビート。なんだかサウナ風呂で意識朦朧としているような気になりますよね。1950年代半ば、ロックン・ロールの直接的な源流に位置する曲です。

Long Tall Sally – 1956 “Little Richard”

こちらもロックン・ロールの源流的な曲ですが、かなり有名な曲なのでご存知の方も多いかもしれません。このリトル・リチャードというシンガー自体がかなり暑苦しいキャラでして、動きといい歌唱といい、とにかく大仰(笑)。でも、こういう芸風は1920年代のジャズからの系譜上にあるわけで、ある意味、正統的伝統芸だとも言えるというのが私の見解。

‪MC5 – Kick Out The Jams – Detroit 1969

1950年代から時は流れて、ロックン・ロールも進化。1975年頃に、いわゆるパンク・ロックと呼ばれる流れが発生します。特徴は「激しい情熱&主張&ヘタクソな演奏」(笑)。1960年代後半から1970年代前半にかけてのパンク誕生前夜、暑苦しい音楽が生まれてきますが、その代表として、MC5とStooges‪(ストゥージズ)を挙げておきます。

MC5は「Motor City 5」の略。最近破産が伝えられたモーターシティこと、デトロイトのバンドです。バンド名自体がすでにうるさそうで暑苦しい(笑)。政治的にかなり過激な主張をしていたバンドで(音楽による革命)、FBIに睨まれていたという逸話は有名です。1960年代後半は日本も含めて「政治の季節」ですが、今では信じられない話。上記のバージョンは冒頭、「Kick Out The Jams, Brothers & Sisters!」と無難に叫んでいますが、本来のバージョンは「Kick Out The Jams, M***********!」。そう叫んでしまう人は、かなりのロック通だとお見受けします。

The Stooges – Down on the Street

これまた暑苦しいキャラのイギー・ポップのバンド、Stooges‪ の曲です。この曲の収録されているアルバム「Fun House」は、全曲が暑苦しさ満開です。ジャケット自体が炎をイメージさせて暑苦しいですよね。高校生の頃からよく聴いているんですが、ドライブ中に流したりすると、家族からは必ずと言って良いほど苦情が出る暑苦しさ(笑)。

MC5に比べてやや内省的な詩が多いんですが、MC5と並んで前衛的なロックの始祖だと言えるでしょう。

Metallica – St.Anger (Live in Studio)

上記のような流れの直系的子孫がメタリカ。世界で最もポピュラーなバンドの一つだと思いますが、デビュー当時からこの頃までは、個人的にあまり興味がありませんでした。どうも様式的な型にはまりすぎている感じがあったんですよね(ファンの方、すみません)。この「St.Anger」は暑苦しい名作だと思うんですが、旧来のファンからは「こんなのメタリカじゃねぇ!」という声が上がったらしいんですよね。私はむしろこの頃からのメタリカの方が好みです。ジェイムズが着ているTシャツに注目。MC5のTシャツです!

他にも候補として、Motorhead とか Dead Kennedys とか The Jon Spencer Blues Explosion なんかも考えたんですが、今日はここまで。次回はちょっと違う観点から。

暑苦しい音楽 Part2