校長、学校やめるってよ

前回「大阪市の民間人校長制度」という記事を書いたんですが、その数日後にこんなニュースを知りました。

「謝罪するつもりはない」3カ月で退職の民間人校長、大阪市教委の配属に不満  – MSN産経west

大阪市教委の公募で民間人校長として4月に市立南港緑小学校(大阪市住之江区)に着任し、25日付で退職した千葉貴樹校長(38)は同日、同校で記者会見を開き、「自分のスキルを生かせる学校ではなかった」と述べ、配属をめぐる市教委への不満を理由にあげた。3カ月足らずでの異例の退職には「不祥事で辞めるわけではないので(児童や保護者に)謝罪するつもりはない」と強調した。
上記MSN産経west記事より引用

学校というのは継続性が重要視されるべきところです。学力の向上や社会性の習得が短期間で期待できるはずもなく、生徒も保護者も先生方も長い目で取り組んでいかねばならない場であります。

そして、校長先生はその筆頭として全校に範を垂れるべき存在ですよね。それが3ヶ月で退職って……(笑)。いや、南港緑小学校の児童や保護者にとっては笑い事ではありませんね。継続性が最も期待される存在が職を途中放棄し、あげく謝罪の必要性すら感じないと公言するに至っては、何と評して良いのやら。

 配属をめぐる不満も漏らした。外資系証券会社に13年間務めた経歴を持つ千葉氏は「配属前から市教委に対して市立学校の英語教育の強化を訴えてきた」と説明した上で、「配属された学校では基礎学力の習得という別の優先課題があり、自分の本来の力を活用できなかった」と述べた。
上記MSN産経west記事より引用

「基礎学力の習得という別の優先課題」に問題があるとの認識のようですが、正直に言って、これは全ての公立小学校が抱えている課題です。この方が赴任された学校だけの問題ではありません。また大阪だけの問題でもありません。日本全国の初等教育学校の抱える問題です。

そこに「エイゴ!エイゴ!」と言われましても……。ロシア語通訳もなさっていた米原万里氏が、「外国語の能力が母語の能力を上回ることは絶対にない。母語の能力を高めることこそが、結局は外国語の能力を高めることになる」という趣旨のことをどこかで仰っていて、さすが言葉のプロは違うなと思ったことがありますが、今の初等教育を決定する場では、無視されがちな意見です。

自分の経験、また、友人達・生徒達の状況から思うんですが、母語(日本語)の力が高ければ、外国語(英語)なんて後で何とでもなります。国語的な力(言語的な力)のしっかりとした人は、入試であれ仕事であれ移住であれ、英語が必要な場に置かれれば、きちんと成果を出すんですよね。小学校からの英会話経験なんて、そこには何の関係もありません。

話がそれてしまいました。小学生の親としては、校長先生には誠実な方が着任して欲しいと思う次第です。