中学入試国語が難化してきている話

昨日はクリスマス。I’m dreamin’ of a white Christmas って感じでのんびり過ごしたいんですが、この仕事をしていると、なかなかクリスマス気分に浸ることは難しいですね。一年でも一番忙しい時期で、どうも心が落ち着きません。

塾仕事の面からすると、一番心が落ち着くのって、やっぱり春・四月ごろでしょうか。気候も穏やか、新クラスの授業も軌道に乗ってきて、さあ頑張るぞと。I’m dreamin’ of a はな〜まつり〜。I’m dreamin’ of a かん〜ぶつえ〜。4月8日の花祭り(灌仏会)ぐらいがそういう時期ですが、ちょいと語呂が悪すぎますか(笑)。

今年の12月25日は授業がない日だったので、ちょっとはクリスマス気分をと思っていたんですが、なかなか。

前日、浪人中の息子に古文の問題を見て欲しいと言われ、午前はその指導でつぶれる。昼からは雑用&雑用。せめて夕食までカフェに行こうよと、副代表と少し遠めのカフェに出かけたんですが、そこでやるのはやっぱり授業準備。いや、まあ嫌じゃないんですけどね。受験生も頑張ってくれているので、私たちの方も頑張らねば。


しかし、最近の入試問題、本当に難しくなりました。大学入試共通テストの国語もそうなんですが(かなりハイレベルな受験生を前提にしても時間的にタイトすぎると思う)、中学入試国語はもう物凄い域にまで達しているような気がします。ある人が中学入試問題の難化を一種の「社会問題」だと思うと記されていましたが、そうおっしゃるのも無理はないと思います。

端的に言うと、現在の中堅校の問題、一昔前の難関校の問題レベルに達していることが多いんですよね。いわんや難関校の問題をや。中学入試問題をあまりご存知でない方が出題文や問題をご覧になると驚かれるのではないかと思います。

確かに大人から見ると、文章のセレクトもセンスが良いし、問題も良問だと言える場合が多いんですが、11〜12歳の小学生が、本当にこんな文章を読みこなして問題を解くということができるのか?ちょっと想像し難いレベルに達していることも珍しくありません。

また当ブログにて実例をご紹介していきたいと考えていますが、今の中学受験生(そして保護者様)は本当に大変だと思います。もちろん私たちも、生徒達の理解力と入試問題の難化の間で苦心しているところがあるんですが、その橋渡しこそが当塾の存在意義と考えております。日夜奮闘あるのみ。

同性愛者である父親が新たに男性パートナーと家庭を築くため、両親が破局に至る。二人の間に生まれた女の子が、そうした事情をおぼろげながら初めて聞き、父親と面会する。なかなかデリケートな状況ですが、少し前、某中学で実際に出題された小説問題です。

この時の女の子の気持ちや、面会状況を伝聞的に知った母親の気持ちが記述問題として問われたり(かなり多めの制限字数が指定されます)、面会場所に指定された喫茶店名の花言葉の解釈が問われたりしたんですけれど、これが解けるというか、真っ当に問題に向き合える小学生ってそう多くはないだろうと思います。

もう一度確認しておきますが、大学入試国語の話ではありません。高校入試国語でもなく、中学入試国語、つまり11〜12歳の小学生に課せられる国語問題の話です。

そういうわけで、付け焼き刃の読解力や国語力ではもう全く太刀打ちできない時代になったと思います。ある程度長期的に見た読解力・国語力の育成が極めて重要になってきた以上、当塾としても対応せねばなりません。今後もより効果的な指導を目指し、授業やクラス運営を見直してゆく予定です。