ホットケーキは三枚重ね

思うところあって、矢野顕子のアルバムをあれこれと聴き直しているんですが、未聴だったアルバム『飛ばしていくよ』に『リラックマのわたし』という曲が収録されていました。

矢野顕子 – リラックマのわたし

ご存知の通り、リラックマはのんびりとした感じのクマキャラですが、あっこちゃんの声とメロディがぴったり。「きょうのおやつはなにがいいかな」と思案するクマの言葉に耳を傾けていると、こんなフレーズが。

「ホットケーキは三まいがさね」

そう!そうやねん!僕は「ホットケーキ」が食べたいねん!

学校から帰ると、なんだか甘い香り。「今日はホットケーキを焼いといたよ、何枚食べる?」お皿に3枚ホットケーキ、お供はバターとハチミツ。生クリームもフルーツもチョコソースもいらない。外はパリッ、中はふんわり。極めてシンプルだけど、それがいい。決して高級感はないけれど、それがいい。

私にとってはそれが「ホットケーキ」なんですが、いつからでしょうか、巷では「ホットケーキ」のことを「パンケーキ」と呼ぶようになりましたよね。

ちょっとおしゃれなカフェで出てくるパンケーキも悪くはないんです。悪くはないんですけれど、なんか違う。小奇麗なお皿に載ってでてくるパンケーキは、生クリームやらフルーツやらで飾り立てられ、よそ行きの顔をしています。そして値段も妙にお高い。

それはまるで、故郷で慣れ親しんだ幼なじみの女の子が、都会に出てきてメイクが派手になり、いつしか高級車で一流レストランに乗りつけるようになったのを見ているかのようです。昔は河原に寝そべって一緒にアイスクリーム食べてたじゃんか……。

喩えが大げさすぎましたでしょうか(笑)。しかし、私としては、どうも「パンケーキ」のよそよそしさが寂しかったんですよね。君はやっぱり「ホットケーキ」だよ。飾らない素朴な君が好きさ。

そんな話を妻にしていたら、買ってきてくれてました「ホットケーキミックス」を!お休みの日は久々に「ホットケーキ」を食べたいと思います。きょうもごきげん。