文章盲点

最近気付いたこと。

先日、料理関係のある本を読んだんですが、異常なほど読み終えるまでの時間が短かったんですよね。文章を読むのは比較的速い方だとは思いますが、それにしても速すぎる。

不思議に思い、もう一度ページをパラパラと繰ってみて理由が分かりました。書籍のかなりの部分が「レシピの紹介」だったんです。

私、全然といっていいほど食や料理に興味がなく、とりわけ自分で料理をするなんてことは全く考えも及びません(つまらない人間でスミマセン)。そのせいか、目の前に「レシピ」が現れても、「読むもの」という意識に全くつながっていなかったことに、今さらながら気付いた次第。

意識的にレシピを読み飛ばしているのではありません。むしろ、無意識のうちに情報摂取を遮断して、レシピ記載部分がブラックアウトされるような感じとでも申しますか。

決して料理をバカにしているのではありません。料理というジャンルに、興味も持てず、理解もできず、したがって実感が持てない、そんな著しい鈍感さゆえにレシピを無視する姿勢が育ってしまっていたんですね。自分でも少々驚きました。

そもそも、文章を読むのが好き、そして文字自体が偏執的に好きという性質なので(つまり活字中毒者です)、どんな文章でも雑食的に読みあさる方なんですが、こんなに「目が滑る」ジャンルがあったなんて。食への鈍感さゆえに、今まで気付きもしませんでした。

文章自体は見えているつもりなのに実際は見えていないも同然という意味で、この現象、「文章盲点」とでも名付けておきましょうか。どんな人にも大なり小なりそうした「文章盲点」があるような気がします。