親友ビジネス

個人的にちょっと気になった話題です。

asahi.com(朝日新聞社)2009/06/18の記事
結婚式で親友役やります 派遣ビジネス盛況

(上記記事より引用)
首都圏では最近、招待客の「代役」を派遣するビジネスが増えている。希薄な人間関係を象徴するようだが、背景には不況や職場の変化もあるという。
 都心に近い千葉県内のイタリアンレストランで開かれた結婚式の2次会。グレーのワンピースを着た東京都大田区の女性(32)は、「新婦の中学時代の友人」として、約100人の招待客を前にスピーチをした。
(中略)
 大きな拍手がわく。だが、実は女性が新婦に会ったのはこの日が初めて。女性は、結婚式などに代理出席者を派遣するオフィスエージェント(東京都中央区)の登録スタッフなのだ。拍手を送った出席者の中にも、10人のスタッフが交じっていた。

なんだか寂しい気持ちにさせられるビジネスです。

個人的には、「友人がいないこと」は別に構わないと思うんです。むしろ「友人がいるふりをしなくてはならない」という気持ちや姿勢が何とも悲しく思われます。

そりゃ友人がいないよりいる方がいいと思いますが、いないことを恥じる必要は全然ないんじゃないか。況ンヤ金銭ニテ人ヲバ雇ヒテソノ場ヲ糊塗スル事ヲヤ(って、何となく漢文調で慨嘆してみました)。

おそらく、結婚相手の両親や親族に「孤独な人」「社交性のない欠陥人間」だと思われたくないという気持ちが、こうしたビジネスを生むんでしょうが、「孤独」や「社交性を欠くこと」がそんなに恥ずかしいことなんでしょうかね。長い付き合いになるはずの婚家の人々です。正直に自分の状況や気持ちを伝えた方が楽ですし、よい付き合いができそうな気がするんですが、どうでしょうか。

……などといいながら、代役側に立ってみると、結構面白そうな仕事です。もし自分が大学生の頃にこんなバイトがあったら、喜び勇んで行ってそうな気がします(ちょっと年齢的に無理ありですが)。新郎とスピーチを考えて、当日は感情たっぷりにスピーチ。あとはご馳走でも頂きながらニコニコしておけばOK。別人を演じるスリルもあってちょっと役者気分。酒は全く飲めないので、酒で失敗することもないでしょう。よく考えてみると、私、適役かも。

今からでも登録しておこうかな……(ウソです)。