迎春・慶春・頌春

先日、近所のスーパーマーケットにて。

そのスーパー、「お客様の声」なるコーナーがありまして、「お客様からの意見」と、それに対する「責任者からの返答」が掲示されているんです。私、それを読むのが大好きなんですよね。

こういう商品を扱ってくれとか、あの商品は不味かったとか、そんなのはどうでもいいんです。私自身味音痴なので。

でも、お客様の感謝の声とか、お叱りの声はやたら面白いんですよね。お客様は何に感謝し、何に不満を感じるのか。これ、私達が運営している塾にも相通じるところがありますし、もっと大きな視点で言えば、経営学のシード(種子)も含まれている気がします。

めちゃくちゃ切れているお客さんがいたりして、それを読解するのもまた楽し。文体や字体・仮名遣いから判断するに、おそらくは還暦を超えていらっしゃるのではないかという投稿者が、「け・し・か・ら・ん!!!」とか「な・め・る・な!!!」等とお書きになっているんですが、どう考えても店側に落ち度があるとは思えない事案。

息子と見て、「責任者も大変やな〜」と大笑いしたんですが、投稿者は家庭生活や社会生活で何か他の不満を抱えていて、それがこんな荒んだ言葉につながっているのだろうか、などと要らぬ心配もしてみたり。

問題 : A氏が怒りの声を投稿した際の気持ちを説明せよ。(65字以内)

解答 : 会社内での立場が危うくなるとともに、家庭でもないがしろにされていることから心に溜まっている鬱憤を、少しでも発散したいという気持ち。(65字)

いや、そんな問題出されてませんけどね(笑)。


さてさて、先日ウケてしまった投稿。これも「お叱りの声」だったんですが、投稿者曰く、「場内アナウンスに違和感がある。『迎春』を『けいしゅん』と読んでいる。おかしい。」

言葉の問題なので、私も食いつきました。うん、確かに「迎春」を「けいしゅん」と読むのはいただけないなあ。

責任者からの答え。

「貴重なご意見を賜りまことにありがとうございます。現在当店では、お節料理のご案内をさせていただいておりますが、そのアナウンスの中で『慶春(けいしゅん)』という商品をご案内いたしております。まぎらわしい文言で申し訳ございません。今後とも、当店をご利用下さいませ。」

ウケました。確かにこれは「けいしゅん」だわ(笑)。

迎春(げいしゅん) : 新年を迎えること。

慶春(けいしゅん) : 新春をよろこぶこと。

どっちもめでたい言葉ですよね。お節料理のネーミングとしておかしくない。投稿者の早とちりというところでしょうか。

ついでにこんな言葉もご紹介しておきましょう。

頌春

なんと読むかご存知でしょうか?

こうしゅん?
ぺーじしゅん?絶対違う。
ばい……いや、やめときましょう。

正解は「しょうしゅん」です。「頌(しょう)」という漢字には、「ほめたたえる、たたえ祝う」という意義があるので、「頌春(しょうしゅん)」は、「新年をたたえること」を意味します。

当塾から谷町の方に向かって進むと、「頌春」というお店があります。料理店でしょうか、入ったことがないのでよくわからないんですが、見る度に心配になります。予約をしようとした人が、「この店なんて読むんだろう?はむしゅん?いや、違うだろうなあ、読み方を間違うのも恥ずかしいし、別の店にしとこっと」てな感じになっていないだろうかと。

そんなことを感じるのは私だけかもしれませんが……。

迎春・慶春・頌春も間近。年末も頑張って行きたいと思います。