2018年秋の点描

10月も後半。しかし、月日の経つのは速いですね。この間、お正月を迎えたばっかりだったような気がするんですが……。

秋に入ってから訪れたところの写真を数葉。カメラってあんまり持ち歩く気がしないので、いずれもiPhoneによる写真です。

休日、カフェで読書した日の帰り路。大阪城は近所なので、小さな頃から見慣れた景色なんですが、秋は空が高い気がして撮影。この近辺、昔はこんなに背の高いマンションは目に入らなかったんですけどね。今や大阪市中心部にも高層マンションが林立。ドーナツ化現象なんて言葉を習ったのは遠き昔になりにけり。

 

これも大阪城公園。少し前にも書きましたが、最近公園内にカフェがいくつか出来てきまして、その一つ。木々に囲まれてソファの上で本を読むのは最高の気分。しかもすごく安上がり(笑)。この日は妻と一緒に行ったんですが、最初の一時間は妻とあれこれしょーもない話。妻が用事で先に帰ったので、あと二時間ほど残って読書。読んでおきたかった本をかなり読めたので上機嫌で帰宅。

 

午前中、妻と映画に出かけた日。大阪ステーションシネマの庭から撮影。北西に位置する梅田スカイビルとウエスティンを望む。知ってました?スカイビルって、世界の名建築ベストテンか何かに選ばれているらしいんですよ(ピラミッドやタージマハルと並べられている)。マジっすか(笑)。道理であの辺り、外国人観光客が多いはずだ。

 

見た映画は「赤毛のアン 初恋編」。休日のレイトショーを一人で見に行こうかと思っていたんですが、妻にその話をすると、同行するとの由。妻は夜遅くの外出が苦手なので、朝8時台の上映回を見ることになりました。がら空き&観客は高齢の方々ばかり。

妻は「赤毛のアン」のファンなので、帰り道、語る語る(笑)。私はアンビギナーなので、時間ができた頃に全12巻を一気読みしようと思っているところ。乙女心を全開にして浸りたいと思っています。

そうそう、この看板は永遠のバンド、クイーン(というかフレディ・マーキュリー)の映画。ずいぶん前から予告編は見ていて、楽しみにしております。この年齢になると、フレディの孤独が理解できるようになってきた気がします。mama mia, mama mia, mama mia let me go!

 

某ショッピングセンターにて。飼い主様はどうやらショッピング中のようで、ワンコ君、お店の中を不安そうに眺めています。ベンチにリードを結わえ付けられた彼(彼女かも)、私や息子の方を時々チラと見ては、また飼い主がいると思しき店内を凝視し続けます。

最近、こうした犬を勝手に連れていく非道な奴や、犬の健康によろしくないものを与える輩も多いという話を聞くので、こっちが不安でしょうがない。犬に威圧感を与えない程度のところに座って勝手に監視員を務めます。結局、時間が来たので、その場を立ち去ったんですが、すんごく不安でした。飼い主様、何とかしてあげてよ。

 

福井県敦賀の気比の松原。秋の海はいいですね。喧騒の去った落ち着きと寂しさが同居しています。冬になったらバイクでは行きにくくなるので、トコトコとひとり下道で行ってきました。海岸のベンチに座って音楽を20分ほど聴いて帰ってくるだけなんですけど、超楽しい。

この気比、松尾芭蕉が「奥の細道」で取り上げています。芭蕉が宿屋の主人に「明日って晴れますかね?」と聞いて、「いや〜北陸は天気が変わりやすいからね〜。どうやろね〜。今晩のうちに気比神宮はお参りしといたら?」と言われるあのシーンです。「名月や 北国日和 定めなき」。

今調べてみると、高浜虚子もここを訪れています(昭和32年虚子84歳)。「松原の 続くかぎりの 秋の晴」さすが虚子、うならされるような素晴らしい句です。とても平易に秋の日の風景が切り取られていつつも、スコーンと晴れ渡るイメージが伝わる。

私の分析。一句目第1音「ma」二句目第4音「ka」三句目第1音・第4音「a・ha」。松原・かぎり・秋・晴れ、いずれの語も母音は「a」で始まります。母音「a」は口を大きく開く広母音。この音の解放感は、松原と晴れ渡った空の広がりにつながります。

「の」「の」「の」と連続するのも、普通ならださくなりそうなのに、そうならない。畳みかけるようなスピード感につながっている。やっぱり虚子は大した俳人だと思います。