AmazonセールにてKindleを1980円で入手した話

昨日の朝、メールをチェックしていると、Amazonからセールのお知らせが来ていました。電子書籍を読む端末、Kindleのセール案内です。

【3/5まで】注文確定時にクーポンコード『KINDLE0002』を入力すると、Kindle(キャンペーン情報つき、通常価格¥6,980)モデルが¥1,980で購入可能です。2015年3月5日(木)23時59分(日本時間)まで。さらに今なら30日間全額返金キャンペーン中。

あまりKindleに興味が無かったんですが、すごい値引きですね。1980円だったら買っておこうかと早速ポチッ。多分、在庫処分なんでしょうが、ここまで安くなって良いのかとこっちが心配になります。

で、AmazonのKindle書籍売り場をウロウロしてみると、もの凄い商品がありますね。下記の写真を見て下さい。

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『吉川英治全集・111作品⇒1冊』200円
『芥川龍之介全集・369作品⇒1冊』200円
『森鴎外全集・124作品⇒1冊』200円
『夏目漱石全集・122作品⇒1冊』200円
『岡本綺堂全集・242作品⇒1冊』200円

200円って……。200000円でも20000円でも2000円でもありません。200円。缶ジュース一本強。良い時代になったとも言えますが、文豪・作家に申し訳ない気分になってしまいます。命を削るようにして書いた(ほぼ)全作品が200円。私が作家だったら泣きます、泣き崩れます。

もちろん、著作権が切れているので、以前から青空文庫(無料で文学作品を配布しているサイトです)で読めるのは知っていますし、実際、私もよく活用してきたんですが、こうしてタダ同然の商品として提示されると、なんだかインパクト大です。

鴎外や漱石の全集をいつでも読めるように枕元に置いておく、それが電子書籍端末込みで2000円強。衝撃的です。贅沢な話です。

私は岡本綺堂の大ファンなんですが、どこか喫茶店で半七捕物帳をガンガン再読しようと、もう今からワクワクです。

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ずいぶん前から思っているんですが、今後、何かものを書いて生計を立てると言うことは、非常に難しい事業になってゆくでしょう。私はものを書くことが嫌いではありませんが、それで生計を立てようなんて夢にも思ったことはありません。

仕事柄から言えば、参考書を出してもいいのかもしれませんが(インディペンデントな電子書籍レベルなら簡単に出版できる時代になっています)、参考書・問題集の類は恐ろしいスピードで陳腐化が進みます。読まれる期間は長くて2〜3年、下手をすると半年ぐらいじゃないでしょうか。そんな事業に貴重な時間は割けません。

参考書の質の良否が問題になるのではありません。社会構造的な問題です。またこの辺りは別の記事にしたいと思いますが……。たまに、書籍を出しませんかという怪しげなセールスを受けることがあるんですが、1時間ほど説教したい気分になります(笑)。

話が逸れました、元に戻しましょう。何せ漱石や鴎外といった文豪の全集ですら200円です。文学の金銭的価値の暴落です。そこらへんの作家の小説なんて、1円ですら高いということになってしまいます。そんな時代に、何かものを書いて暮らそうというのは非常に難しい話。作家はどうして生計を立てていけばよいのか。正直、それは私の問題ではないのでどうでもいいんです。でも、答えは自ずと決まってくるでしょうね。


仕事が終わってからメールをチェックすると、こんなメールが夕方頃Amazonから来ていました。

Amazon.co.jpをご利用いただきありがとうございます。

本日2月27日にお送りしたKindle特別価格キャンペーンのご案内につきまして、予想を上回るご利用のため、予定より早く終了させていただくことになりました。

お客様にはご迷惑をおかけしますが、ご了承いただけますようお願いいたします。

数時間で売り切れちゃったんですね。入手できた私はラッキーでした。