フィギュアスケートのことはよく分かりませんが、我が家の女性陣がフィギュア好きなので、今回の羽生君の金メダル、我が家でも大いに盛り上がっています。
私もYouTubeで彼の演技を見ましたが、素晴らしいですね。スピード感・切れが格段に優れていることが素人の私にも分かります。この段階に至るまでの凄まじいトレーニングが思われますが、私が何より胸を打たれるのはショパンのバラード1番。
【NHK】【ノーカット実況なし】羽生結弦 ショートプログラム<ピョンチャン>
私、ショパンの大・大ファンでして、あれこれ聴いてきました。バラード良し、エチュード良し、プレリュード良し、スケルツォ良し、ノクターン良し、ピアノソナタ良し、コンチェルト良し、ワルツ良し、ポロネーズ良し、もう何でも好き。チェロソナタさえ愛しい。端正なのに情熱的で詩的で。
仕事以外で使っているドメインやメールアドレスは、ほとんどショパン関係で統一しているというミーハーぶりでございます(笑)。
CDは何枚あるのか分からないぐらいですが、ショパンに関する本も色々読みすぎたせいか、ショパンの気持ちが分かるような気がするんですよね。何か他人のような気がしない。
この羽生君のショートプログラムを見た時も、まず思ったのは、生前のショパンに見せたら彼はどんな感想を抱くだろうかということでした。
自分の曲に合わせて、ここまでの表現が氷上でなされる。その事に大きく驚くショパン。この青年、自らの魂を刻み込んだバラード1番を深く理解している。そして愛してくれている!両手で紅潮した顔を覆い、深く溜息をつくショパン。眼にはうっすらと涙が……。
って、妄想が入ってますが、ショパンはおそらく、こうした反応を示したであろうと思います。頭が良くて上品なショパンのことですから、羽生君とも気が合ったんじゃなかろうか。
私のMacにリッピングしてあるバラード1番(Ballade No. 1 in G Minor, Op. 23)を調べてみると、以下のピアニストの演奏がありました。CD棚には他にもあるような気もしますが……。
Bella Davidovich
Cyprien Katsaris
Evgeny Kissin
Jan Ekier
Krystian Zimerman
Maurizio Pollini
Vladimir Ashkenazy
よく聴いているのは、クリスティアン・ツィメルマン(Krystian Zimerman)。ポリーニ(Maurizio Pollini)も好みの演奏です。私の独断なんですが、ショパンって、やっぱり若いピアニストが合うと思うんですよね。老翁の演奏する円熟のショパンって、あんまりピンと来ない(モーツァルトのピアノソナタなんかにも同じことを思う)。
Krystian Zimerman – Chopin – Ballade No. 1 in G minor, Op. 23
と、調べてみると、おお、今回の羽生君の演技もツィメルマン演奏版が用いられていたんですね。素晴らしい!
厳しい運命に翻弄されながらも、抗う精神を捨てぬ高潔な魂。バラード1番ってそんな曲だと思うんですが、今回の羽生君の演技、見事にショパンを表現しきっていました。金メダルを獲得するのもむべなるかな。泉下のショパンと共に乾杯。
<2018.02.21追記>
ツィメルマンによるショパンのバラードなら下記の盤。ショパン道(?)に入るには最適のCDかと思います。
下記をクリックすると、Amazonに移動しますが、そのまま購入されると私の方にリベートが入ってしまう仕組みになっています(そうしないとブログの中で写真を処理しにくい仕掛けになっている)。リベートといっても雀の涙ほどですが……。
当方、ブログで直接的に金銭的利益を得ようとは全く思っていませんので、ご興味のある方は直接Amazonなどで「ツィメルマン ショパン バラード」「Zimerman Chopin Ballade」と検索していただければと思います。
なお、 AppleMusicご利用の方は、この音盤以外にも多くのツィメルマンの録音が聴き放題になっています。いい時代ですなあ。
クリスチャン・ツィメルマン
ショパン:4つのバラード、幻想曲、舟歌