最近よく思うんですよね。読解力の養成って筋トレに似ているなと。
私は体を動かすのが好きですので、もう30年近くスポーツジムやらプールやらに通っています。この塾稼業、体を動かす機会を自ら作らないと絶対に運動不足になってしまいますから、運動は半分「仕事」でもあります。
おかげさまで、先日受けてきた人間ドックでも問題は発見されず、健康そのものでした。胃カメラが超苦しかったんですが、この話はまた別の機会にでも。
先日スポーツジムで腹筋台に乗って腹筋運動をしていると、横で見学者と案内インストラクターが話しているのが聞こえてきました(下品な聞き耳を立てているのではありません。声が大きくて聞こえてきてしまうのです)。
少しふっくらとした見学者、いや忌憚なく言わせてもらうと、かなりでっぷりとした見学者が真剣な顔でインストラクターに尋ねています。
「僕もこんな感じで腹筋したら、すぐにお腹六つに分かれますか?」
「なんでやねん!痩せるのが先やろっ(笑)!」と心の中で思わず突っ込んでしまいましたが、案の定インストラクターも返答に困っていらっしゃいまして、「やっぱりまずは適正体重を目指されるのが先でしょうかね〜」と苦笑い。
いや、もちろん腹筋を鍛えてもらうといいとは思うんですが、ものには順番がありますよね。まず食事を見直してトレーニングの計画を立ててから、日々節制するところから始めないと。
で、この話は読解力のトレーニングにも通じるところがあると思うんですよね。模試偏差値が30台なのに、「すぐ偏差値60台に乗せるにはどの問題集を使えばいいでしょうか」とか、「○○中(かなりの難関校)の問題はコツさえつかめば1ヵ月ぐらいで合格点が取れるようになるでしょうか」とか。
う〜ん、ものには順番が……(笑)。
指示語内容を正確に捉えるとか、前後の文脈から接続語を決定するとか、物語の人物関係を掴むとか、まずそういう基礎部分から始めないとなりません。いや、そもそも問題文に対する根本的な姿勢から正してゆかないとならないかもしれませんね。
読解力はちゃんと基礎から築き上げていかないと使い物にはなりません。正しいトレーニングを継続的に規則正しく積む。それしかありません。筋肉増強剤とか訳の分からないものに手を出さないようにしていただければと思います。
読解力錬成の継続必要性については、また機会を改めて書くかもしれません。この点においても、読解力の養成って筋トレに似ているんですよね。