夏休みに国語力を伸ばす – 小学生低学年編

小学生はいよいよ夏休みですね。

小学生低学年の保護者様から、よく宮田国語塾についてのお問い合わせを受けるんですが、ホームページにも記載している通り、現在のところ、小学生については5年生または6年生のみの開講となっております。中学受験に必要な国語力・解答力については、5年生または6年生の段階で伸ばすのが最も合理的であるというのがその理由です。

それよりも下の学年で、受験指向の強い国語勉強を推し進めてしまうと、失敗する可能性はかなり高くなります。受験だけに通用すればいいなんて考えのチャチな「読解力」を身につけてしまった子ども(いや親子と言うべきか)は、学年が上がるにつれて順調に(?)学力を落としてゆきます。

例えば、時間に追われて文章を読むのに慣れきってしまうと、粗雑な読みを許容することになります。精読よりも、時間内に解答することが優先されるというわけです。

また、得点や順位を気にするあまり、解答を探すだけのパズル読みとでもいうべき状態に陥っている子どももいます。おそらくそういう子にとって「国語」とは、「隠れている解答探しゲーム」のようなものなのでしょう。

もちろん、中学入試であれ、大学入試であれ、解答の根拠を文中に探すことは非常に重要です。しかし、それは文章の脈絡の中で発見されるべきものであり、そうであってこそ、説得力のある解答が作成できるわけです。そもそも、文脈を考えずに解答根拠を探し出すのは、上の段階に行けば行くほど困難になってゆきます。

あまり批判めいたことをネット上で言うのはよくないのかもしれませんが、上記のような悪傾向を助長する模試問題や問題集はかなり多いように見受けます。そうした問題群にふりまわされたり引きずられたりして失敗してしまう方は、かなりの数に上るはず。

やむを得ずそうした問題を利用する場合、ちゃんとした指導者であれば、適宜悪問を排除したり、時間制限を緩めたり、問題を改作したり、前段階になる問題意識を喚起したり、受講者レベルに応じた千差万別の補助を行うんですが(ですよね?)、ご家庭ではなかなか難しいところがあると思います。

ただ、小学生低学年の場合、そこまで神経質にならなくとも、ある程度の指導であればご家庭でも十分に可能だと思います。

そこで、この夏休み、ご家庭で国語の勉強をさせようとお考えになっている、小学生低学年の保護者様への簡単なアドバイス。

1.あまり受験指向にならないこと

2.文章をゆっくり精読させること=粗雑な読みは読んでいないのと同じ

3.細切れの文章に過度に慣れさせないこと

4.問題解答についてはさまざまな表現があり得るので、大人の立場からしっかり文章を読解して、解答表現の許容範囲を見極めてやること

5.語彙力を高めるようにしてやること

こんなところでしょうか。

中学受験の場合、子どもだけの受験ではありません。保護者様の受験でもあります。とりわけ国語・算数については、しっかり時間をかけて向き合ってやる必要があると考えます。

※ 次回は、小学生低学年向きの記事を書きます。該当するお子様がいらっしゃる方は、そちらもどうぞ。

<参考記事>
国語力・読解力(どっかいりょく)を上げるにはどうすればよいのか:国語塾・宮田塾のブログ