人から何が趣味かと聞かれると、ちょっと、いや、かなり返答に困ります。音楽を聴くのが大好きで、文学系の本を読むのも大好きなんですが、これは「趣味」とは言いにくい気がします。
毎日食事をしているからといって、食事を「趣味」と称する人は少ないと思うんですよね。私にとっては、精神面の「食事」が、音楽を聴いたり文学に親しんだりという行為。少しでもいいから毎日触れないと精神的に死んでしまう(笑)。日常の必須行為という意味で、音楽鑑賞と読書は却下です。
コンピュータ関連やモバイル関連も大好きですが、これも仕事の側面が大きくて、なんとなく「趣味」と呼ぶのが憚られます。仕事以外に使っているのは、結局、音楽や読書の部分が大きいですしね。
そうそう、二輪車・バイクに乗るのも大好きですが、これも返答しにくい。というのも、「バイク=無軌道な若者の乗り物=暴走族=危険」みたいなステレオタイプ的短絡が蔓延しているので、その誤解を解くのが大変なんですよね。バイク乗りの平均年齢が48.5歳という驚きのデータを考えれば、どう贔屓目に見てもおっさんの乗り物なんですが……。というわけで、あまり返答に相応しいとは思えない。
息子と遊ぶのも楽しいですが、これも趣味という感じはしない。教える仕事も楽しくさせてもらっていますが、これまた趣味とは言えない。
「釣り」とか「サッカー」とか「ゴルフ」とか、自分にはほぼ無縁な行為を返答することもチラリと脳裏をかすめたり。しかし、相手さんに「おお!あなたも太公望でしたか!」と釣りの話を延々とされたら困ります。そもそも嘘は良くないですしね。
「無趣味です」と答えるのも、人間的に欠陥がありそうに思われそうです。いや、欠陥ありまくりなんですが、あんまり悟られたくない(笑)。「そもそも『趣味』の定義とは何か、厳密にお教え願えませんか」なんて答えると、理屈っぽい変人だと思われそうだし……。
そんなこんなで、「あなたの趣味は何ですか?」という質問は、相手に結構な負担を掛ける質問なのではなかろうかなんて思っています。考えすぎだって?うん、そうかも。