漢字検定7級受検記

久々に漢字検定の話。といっても、私ではなく息子の受検です。

我が息子、小学3年生なんですが、今まで試験らしい試験を受けたことがないので、そろそろ「きちんと勉強して検定試験を受ける」という経験を積ませてみよう、というわけです。

小学3年生に対応するのは「漢検8級」ですが、同一学年だとあまり面白みもないので、一つ上の級、小学4年生対応の「漢検7級」に挑戦してみることにしました。

調べてみると、直近の会場試験日は10月27日。出題内容から考えて、準備期間を1ヶ月程度とし、9月末頃から勉強を始めることにしました。

漢検2〜7級については、CBT(Computer Based Testing)受検、つまりコンピュータを利用した受検も可能で、このスタイルならば、いつでも好きな日に受検できるんですが、「見知らぬ人々と共に、緊張感のある試験場で受検する」ということが、やはり教育的には大切だと思うんですよね。そんなわけで、CBT受検は選択しませんでした。

さて、息子を指導するのは妻と私。小学生を指導する事は「家業」ですし、副代表(妻)は漢検2級を所持、私は漢検1級を所持していますので、「日本にこれ以上の漢検指導チームはないよ、正に『漢検指導ドリームチーム』なんだよ」と、息子にプレッシャーをかけ(笑)、勉強を開始したのでした。

原則として、学校に出かける前の時間を利用して、少しずつ学習していたんですが、息子の地道な作業に付き合ってくれたのは、基本的には副代表。9割方の指導を担当してもらいました。感謝。

私の方は、仕事が忙しいのもあって、「パパやママの言うとおりやれば、絶対に合格するから、まぁ気楽にやりなよ」とリラックスさせるのが仕事。あまりプレッシャーをかけるのも逆効果ですからね。

とはいえ、試験一週間前ぐらいから、私も本格的に指導に参加。鬼教官?いえいえ、そんな指導では頭に入るものも入りません。私自身の性格を引き継いでいる息子のことですから、指導のツボはよく分かっているつもりです。

副代表の作った「間違った漢字・うろ覚えの熟語」リストをざっと眺めると、ふむふむ、間違いの傾向が読めました。そこは経験を積んだプロの味(笑)。

「なぁ、◯◯っていう漢字を書いてみて。」

「次に、◯◯っていう漢字を書いてみて。」

「最後に、◯◯っていう漢字を書いてみて。」

自信なさげに息子が書いた漢字をみてみると、どれも微妙に間違っています。

「やっぱりな。お前の間違いの癖が分かったよ。間違った漢字の見方と書き方を説明するから、よく聞くように。」

私の経験上、小学生が漢字を書き間違う場合、文字の形そのものをよく観察できていないことが多いんですね。漢字自体はいくつかのパーツからできているわけですが、そのパーツをよく観察できていなかったり、パーツの分解方法が間違っていたりするわけです。

そんな場合、その子供に応じて、漢字の分解の方法や、パーツの特徴を指導すると、すらすらと書けるようになることが多いんですが、こうした部分は、学校で教わったり辞書に掲載されていたりする部分ではないので、盲点になりやすいのだろうと思います。

「あれっ、ほんまや、書けるようになった!」

「だろう!ドリームチームを信じなさい(笑)。」

気分転換も兼ねて、日曜日のカフェでもそんな指導をしていたんですが、周りからは「どんだけ熱心な教育パパやねん、プッ」と笑われてそうな……(笑)。

そうこうしている内に試験当日。試験会場は遠いところかと思いきや、上本町6丁目の大阪情報コンピュータ専門学校。我が家から徒歩でも行けるところです。「漢検ドリームチーム」で試験会場まで見送り、「頑張っておいで」と頭を撫でた後は、近くの喫茶店に移動。生徒さんの預かり答案をチェックしたり、授業準備をしたり、仕事仕事でございます。

試験終了5分前ぐらいに、再び会場に向かいます。試験教室のガラス越しに息子を見てみると、どうやら見直しも終わったようで、つくねんと座ってニコニコしています。妻と、「息子もこんな会場で試験を受ける年齢になったんだなぁ」としみじみ話し合っているうちに、試験終了の合図です。「お疲れ様、よく頑張ったな」と声を掛け、家路につきました。

家で聞いてみると、「がんばって勉強して試験を受けにいくのって結構おもしろい」と述懐していたので、合否に関わらず、今回の目的は達成できたかなと、私も妻も一安心。

で、あっという間に合格発表日。ネットでは朝10時から合否を確認出来たんですが、あえて息子が学校から帰宅するまで待ちます。息子が帰宅後、家族全員で合否を確認です。受検番号を入力すると、モニタ上には「合格」の表示。

私たちがここぞとばかりに褒めてやると、本人もまんざらではない様子。うんうん、親としては、こうした小さな成功体験を積み重ねていって欲しいと思います。


さて、利用したテキストです。小学生対応級の場合、漢検1級のようにテクニカルな勉強は何ら必要ありません。3級ぐらいまでなら、原則として漢検協会が出しているオフィシャルの問題集だけをこなせばよいと思います。私たちが利用したのは下記の書籍。この1冊を完璧にすれば大丈夫でしょう。小学4年生の漢字をきちんと学習・復習したい小学生にもお薦めです。

漢検7級漢字学習ステップ 改訂三版
漢検7級漢字学習ステップ 改訂三版