「ハッカー(hacker)」という言葉、現在の日本では「コンピュータネットワークを不正な方法で攻撃する者」といった意味で使われていますが、本来はもう少しいい意味を持った言葉です。
Wikipediaによると、「コンピュータや電気回路一般について常人より深い技術的知識を持ち、その知識を利用して技術的な課題をクリア(なかったことに)する人々のこと」と定義されていまして、むしろ社会に有用な人々というニュアンスの説明がなされています。
「コンピュータネットワークを不正な方法で攻撃する者」については、別途「クラッカー(cracker)」という言葉が用意されているんですが、マスコミが「コンピュータネットワークを不正な方法で攻撃する者」を「ハッカー」と称したため、我が国では「ハッカー」=悪、ということになってしまっています。
(「ハッカー」と「クラッカー」を正確に使い分けるべきだという運動が、ずいぶん前インターネット上であったと記憶しているんですが、上手くいかなかったようです。やっぱりマスコミは強い。)
前振りが長くなりましたが、以下の文章に使われる「ハッカー」という言葉は、日本での用法に基づいているとご理解下さい。
「アノニマス」という国際的なハッカー集団がいます。私はハッカーではないので、よく分かりませんが、ネットワークに関する専門的な知識を有する集団であるのは間違い無いでしょう。平たく言えば、頭の悪い集団ではないはず(もちろん、遵法精神がないのは困りものですが)。
で、今日のニュースを読んで、大笑いしてしまいました。下記のニュースです。
アノニマス、「霞が関」と「霞ヶ浦」勘違い? : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
国際ハッカー集団「アノニマス」が日本の政府機関などへのサイバー攻撃を表明している問題で、国土交通省霞ヶ浦河川事務所(茨城)のホームページ(HP)への攻撃は、外国人が「霞ヶ浦」を「霞が関」と勘違いして行われた可能性があることが分かった。
(上記読売新聞記事より引用)
日本の官僚組織を攻撃してやろう、何々、官僚組織の通称を「霞が関」と言うのか。攻撃開始!
↓
勘違いして「霞ヶ浦」のウェブサイトを攻撃
確かに日本語・漢字は難しいんですが、もう少しチェックしないと(笑)。高度な知識を備えているであろう集団だけに、お間抜けさ・面白さが際だちます。
「首相宮邸ホームページ」とか、「タト務省ホームページ」なんてのを作って、それらしい英文を書いておけば、アノニマスに攻撃してもらえるかも……、一度作ってみようかななんてちょっと思ったり。