一昨日・昨日と国公立大学の前期入試がありました。受験生はお疲れ様です。当塾では今期、一般入試の大学受験生を見ていないので、気楽な感じで入試問題を見ております。受験生を抱えていると、どんな問題が出たか真剣に気になるんですけどね。
昨日(2/26)の新聞に掲載されている問題を見ると、京大の国語、現代文は上田閑照・津島祐子。古文は増鏡。「らしい」出典ですね。東大の国語は小野十三郎の詩論が出ています。小野十三郎氏は、私の出た地元公立中学(高津中学)の校歌の作詞者。どういう経緯で作詞して下さったのかまでは知りませんが……。内容自体もなかなか面白い文章でした。古文の方は『古今著聞集』。孝心についてのお話です。この『古今著聞集』や『宇治拾遺物語』は内容も面白い作品なので、勉強材料としてお薦めですね。
今日(2/27)の新聞には、京大の英語が掲載されていました。京大の英語は伝統的に英文和訳と和文英訳のみの極めてシンプルな出題なんですが(それ故に受験生の英語の実力と国語力がストレートに現れる)、今年の和文英訳の問題を見てプッと吹き出しました。和文英訳の2問目です。
私たちは漠然と犬やイルカを賢いと思っているが、動物の賢さを測る客観的な基準に基づいてそう判断しているわけではない。そういった動物の場合、人間の命令によく従うほど、頭が良いように見えるだけではないだろうか。人間の場合には種々のいわゆる客観テストなるものがあるが、それも結局、出題者の指示によく従うことが高得点に結びついているのかもしれない。
(2010年 京大英語 和文英訳 第2問)
この文章、テストの点が良くても、指示に従うことができているだけで、別に頭が良いわけでも何でもないよ、テストの点が良くても、せいぜい犬やイルカレベルだよ、仮に合格したからっていい気になるなよ、と読めてしまいます。大学側からの先制パンチですよね、これって(笑)。
すごくユーモアのある出題だと思います。まぁ、解いている受験生はそんなことを考えず、英訳に没頭すべきですけれど。
英訳自体は、ブログを書いている時間では良い解答ができそうにないので略。ごめん(笑)。