天才マルク・マルケスの価値

すいません、今日も勉強には何の関係もない話です。

今年もヴァレンシア戦が終わり、MotoGPが閉幕しました。しばらくは超絶ライダー達の凄まじい闘いが見られないかと思うと、本当に寂しいんですよね。例年、MotoGPのシーズン終了とともに、当塾の繁忙期が本格化するということもあって、心の中に枯葉舞い散る時期なのです。いや、仕事は嫌じゃないんですが、仕事漬けになって時間的余裕がなくなるのがちょっと辛い。

さて、今年はMotoGP、世界各地のサーキットで19戦が開催されましたが、決勝についてはもちろん全戦リアルタイムで観戦(基本的にレース決勝は日曜開催)。本当はフリープラクティス、予選Q1/Q2と全部見たいんですが、仕事と完全にかぶっているので、さすがにそこまでは無理。いつか全戦を世界中追っかけてみたいと思うんですが、それは夢のまた夢ですね。

昨年からHuluがMotoGPのリアルタイム配信を始めてくれたので、とても安価に観戦できるようになったのが個人的には超嬉しい出来事でした。

MotoGP公式サイトで契約して視聴してもいいんですが、ちょっと高かったんですよね。年間パスで二万円ぐらいでしたか。それはいいとしても、MotoGPは世界中のファンが視聴するとあって(一戦あたり三億人以上が視聴するらしい)、ネット配信の方も最高潮のシーンで映像が止まることがあったんですよね。お金を払っていてそれはないよ(笑)。

英語の実況中継であるということは特に問題ありません。レース中継の定型的な言葉しか出てきませんから。英語力よりむしろ、バイクレースやサーキットについての語彙力のほうが必要なんじゃないかな。

ただ、やはりHuluは日テレの放送を配信しているため、解説がいいんですよね。かつての日本人GPライダーがレースをリアルタイムで解説してくれるんですが、やっぱり超一流のプロレーサーの意見や観点は聞いているととても面白い。こういうレース展開だとレーサーはこう考えてレースを組み立てるとか、競技者心理にまで踏み込めるのはOBならでは。


今年の全19戦を観ての感想。おそらく、どのMotoGPファンも同じ感想だと思うんですが、マルク・マルケス強すぎ、天才過ぎ。もうマルケス王朝は永遠に不滅なんじゃないかと思うぐらいに。

マルケス、今年は一戦だけ転倒リタイアがあったものの、残り18戦では優勝もしくは悪くても2位。史上最多ポイントを稼いで二位以下を隔絶するシリーズ優勝。

レース冒頭からスルスルとトップに立って、2位以下を一気に引き離すレースを何回見たことやら。あっという間に後続車に数秒の差を築くというスタイルですが、勉強の世界になぞらえて言えば、偏差値70とか75とかいう奴等がうようよいる中で、一人偏差値95を連発するような受験生とでもいうか(笑)。

今年2019年なんかは、実況中継もトップを独走するマルケスは置いといて、2位以下のポジション争いしか映さないことが頻発していました。マルケス独走は画像隅っこに小さく映っているだけ(笑)。

マルケス、もちろん、内面は勝負への恐ろしいまでの執念を持った男なんですが、バイクを降りればさわやかなイケメンなんです。間違いなく、今まで地球上に現れた人間のなかで、最もモーターサイクルを速く走らせる才能を有した男ですが、ホントにイケメンなんですよね。収入も凄まじい額ですし、天は彼にいったい何物を与えるのか。

マルケスはレプソル・ホンダに所属しているんですが、ホンダも絶対に手放したくないライダーだろうなと思います。私がチームの監督なら、ホンダの上層部には「ギャラはいくら払ってもいいから絶対に手放さないでくれ」と懇願しますよ、ホントに。新製品のプロモーションビデオに起用しても、愛想よく立ち回ってくれるし(速くても愛想のないライダーは結構いるのです)。欧州市場でも北米市場でもアジア市場でも絶対的なタレントバリューを持っているはず。


例えば、つい最近発表されたCBR1000RR-Rというバイクがあるんですが、公式プロモーションビデオの再生回数が一ヶ月弱で9万回弱。

CBR1000RR-R “Born to Race”

一方、同じバイクにマルケスが乗ると、一ヶ月弱で270万回程度の再生回数。

Marc Márquez rides the new 2020 CBR1000RR-R Fireblade SP

バイク好きな方には言うまでもありませんが、CBR1000RR-Rはいわゆるスーパースポーツという種類のバイク。極端に動力性能が高く、ほとんどレース用と言っていいようなバイクです。

一つ目の動画をよく見ると、4速でほぼ時速300kmに達しているところがチラリと見えます(バイク好きの心の琴線に触れる演出だ)。まあ凄まじいバイクなんですが、二つ目の動画のマルケスだと、「あははは」みたいな感じでかる〜くインプレッションしながら乗りこなしています。

彼が「ストリートでもハンドリングがスムーズですんごく乗りやすいよ」「サーキットだと全トルク・全馬力を使いこなせて最高のバイクだね」なんて言うと、すべてのバイクファンは「なるほどな〜」と納得してしまいます。単純だけど。

多分、多くのバイクファンが「暖かくなったら試乗に行こうっと!」と思ったんじゃなかろうか。はい、私もその一人です(笑)。

こういう種類のバイクが好きな方なら(って誰に話しているんでしょうか)分かっていただけるでしょうが、ここ何年かはホンダのFirebladeって、よほどのホンダマニアを除けば、興味を持つ人が少ないバイクでしたよね。

どうせスーパースポーツに乗るなら、YZF-R1、S1000RR、ZX-10Rあたりがいいな、ちょっとスズキマニアならGSX-R1000R、イタリアンバイクが好きなら PanigaleV4かなという感じで、設計や機能の古さが否めないホンダFirebladeはちょっと敬遠されていた気がします。

ところがところが。今回のFireblade、実際に超高性能ということがあるのはもちろんですが、天才マルク・マルケスの宣伝効果も相まって(その筋には)結構売れるのではないかと。

個人的には、今のところスーパースポーツに乗るつもりはありませんが、このFirebladeだったらちょっと欲しいかも、#93のSHOEIへルメットも揃えた方がいいかも……って、ミーハー過ぎでしょうか(笑)。