待ちに待ったGW到来。とは言うものの、仕事やら個人的用事やらが山積みなので、そうそう遊びほうけているわけにもいきません。
日曜日は午前中だけ自由に使おうと決めていたので、ちょっとだけバイクで遠出。どこに行こうかな?と走り出してから決める無計画ぶりはいつものことですが、今日は岡山に行くことに。別に何の用事もないので、ただ走っていって帰って来るだけなんですけどね。目的はバイクに乗ることなので全然OK。往復500km程度です。
大阪市内から西日本にむけては、新名神高速道路を利用してアクセスが出来るようになって、かなり便利になりました。新名神は開通以来、自動車・バイクで6〜7回は利用したかなと思うんですが、でき立てホヤホヤで快適なことこの上ありません。
新名神高速→神戸ジャンクションを通り、山陽自動車道をひたすら西進。岡山県のどこだったか忘れましたが、サービスエリアで休んでいると、販売員の方が「きびだんごはいかがですか?」と一つ試供品を下さいました。腰に付けた袋からひょいっと出して。すみません、少し話を盛りました。トレーから取って渡してくれました。
もぐもぐ。うん、美味しい。でも、積載性ゼロのバイクなので(そういうのが好みなのです)、購入することはできません。すみません。
すると、その販売員のお姉さんに、「今からあなたは私の家来です。サル・キジ・イヌのどれかを選びなさい」と言われました。う〜ん、個人的にはイヌが一番楽しそうだけどなあ、いや、でも、風貌的にはサルの方が近いかな?すみません、完全に話を盛ってしまいました。
でも、どうしてこんな団子ごときで彼らは危険な戦地に赴いたんでしょうね。腑に落ちません。鬼と闘うんですから、命がけのはずですよね。あれってやっぱり、団子は「食いぶち=経済面のサポート」の象徴なんでしょうか。つまり、「戦闘員として軍に参加すれば、食うに困ることはないぞ、経済的に豊かになれるぞ」というような趣旨なのかなと。
そうだとしたら、「経済的徴兵制」というシステムの先駆けをなすケースだよな、かなりモダンな(?)昔話だなと思ったり。いや、そもそも何の利益もない戦に参加したい変人はいないでしょうから、歴史的に見れば経済的利益で釣って戦闘員にするという方が原則なんでしょうね。
そう考えると、紙切れ一枚で国民を戦争に駆り出すことができる近代国家というものは、善かれ悪しかれ本当に凄いものだなと。
また一説には、桃太郎のきびだんごには、中毒性のある覚せい剤か何かが仕込んであって、サル・キジ・イヌはジャンキーにされたという話もあったような(笑)。ま、どうでもいい話を長々と済みません。
大阪への帰りは中国自動車道を利用。この高速道路、大阪府〜兵庫県東部は別として、兵庫県西部〜岡山〜広島〜山口はむちゃくちゃ閑散とした道です。
いつだったか、数年前のGWまっただ中に山口に行った事があるんですが、山口県の中国自動車道、驚くほどに通行量が少ない。どこかのインターチェンジから入って、15分ぐらい走っても前走車が見えません。それなりに飛ばしていたんですが、一台にも追いつかない。だんだん不安になってきます。ひょっとして『本日通行止め』になっている高速道路に手違いで迷い込んだのかも?なんて思ったり(笑)。先日はそんなことはありませんでしたけどね。
ちょっと眠たくなってきたので、某サービスエリアで軽く昼寝をとることに。私は自称「睡眠の達人」ですので、どこでも寝られます。10分ほどあればかなり深く眠って回復できるので、自動車やバイクを運転する時はよくSAで仮眠をとります。
どこかウトウトするのにいい場所はと……。あったあった、涼しげな藤棚が見つかりました。そばに行ってみると、落花狼藉、ベンチには藤の花が散り乱れています。パッパッと花を払い落とし、寝ころんで上を見やると、美しい藤の花と太陽が。ああ、この取り合わせキレイだな……藤の花って上品で美しい女性っぽいよな……などと思いつつ、速攻で眠りに落ちました。
これね、中国の怪異小説なんかにありそうなシチュエーションなんですよね。『聊斎志異(りょうさいしい)』という清代の怪異短編集があるんですが、それ風の話を書いてみるとこんな感じでしょうか。始まり始まり。
旅の男が疲れて藤棚の下で午睡をとる。と、夢に藤色の衣装を着た美しい女性が現れる。上品で美しいその女性は自分を憎からず思っているようだ。いつしか男とその女性は情を通じ夫婦となる。男は商売に励み妻もそれに従うこと多年。大いに家業は栄え、人を召使うこと多数。善良な子息・息女たちと共に豪邸に住まうという、人も羨む暮らしぶり。
数十年後、老いには勝てず死の床に付く男。傍らの妻に言う。「そなたの支えと働きがあってこそ、このような豊かな人生を送ることができた。思い残すことはないが、来世もそなたと添いたいものだ。」
「何をおっしゃいますの。もう何世もあなたの妻ではありませんか」妻はそう言いながら、左足の親指と人さし指を広げて男の指に絡める。不思議の思いにとらわれつつ、男は意識が遠のく。
夢から覚めた男、空を見るに、太陽の位置はほとんど変わっていない。「何とこれは短い夢であったか、長い人生であったと思ったが。」数日後、国に戻った男は妻に夢の話をする。すると、妻は不思議がりもせず、左足を男にさし出す。妻に促されて男が左足の親指と人さし指の間を見ると、紫色の藤の花びら型の痣。
妻曰く「実は私は以前貴男が丹精して育てて下さった藤の精です。貴男にそのことを知っていただきたく、夢をご覧頂きました。前世・現世だけではなく来世でもお側に置いてくださいませ。」男は大いに喜び、その後も夫婦仲睦まじく暮らした。
日本の昔話だと「人外のもの」はその正体を知られると、去っていってしまうんですが、中国の話はなぜか現状追認型のものが多いんですよね。平気で夫婦として暮らしていたりする(笑)。私もそっちの方がいいと思います。
あ、上の話を映画化したい方は私の許可を得てくださいね(笑)。
上記のような夢こそ見ませんでしたが、短い昼寝でリフレッシュ。あとは一気に大阪に戻って軽く休憩。あれこれ雑用をこなすこと数時間。夕食前にはプールに出かけて体調管理。
夕食後は妻と少し離れたところのマクドナルドへ(すごく安上がりな夫婦なのです)。オフィス街のマクドナルドなので、日曜日の夜はガラガラ。お茶しながら私は仕事。休み中にしておくべき授業準備多数なのです。
そんな感じの一日で、なかなか充実したGW初日でございました。