先月末、48歳の誕生日を迎えました。「誕生日に何が欲しい?」と家族に言われても、とりたてて欲しいものがありません。返事に困って、とりあえず「そうやな〜、おはぎでも買ってきてもらおうかな」と答えました。
誕生日当日、家の者が「おはぎ」を用意してくれていたんですが、やっぱりおいしいですね。さすがは「キング・オブ・コンフェクショナリー」「甘いものの王者」と称されるだけのことはあります。ま、私がそう呼んでいるだけなんですけれども。
仕事が終わってからむしゃむしゃと「おはぎ」にかぶりついていると、目の前にグリコ社の「カプリコ」もあるじゃないですか!
前日に息子がカプリコを食べていたのを見て、「俺の分はないの?」と聞いたのを覚えていてくれたらしい(その時は1個しかありませんでした)。うむ、気が利くなあ。
「うわ〜!カプリコ大好きなんだよね!感動した!ありがとう!」
かぶりつこうとすると、妻が言います。
「ちょっと待って。これはね、ただのカプリコじゃないのよ。リッツ・カールトンのパティシエに特別にお願いして作ってもらったものなのよ。チョコの部分は厳選に厳選を重ねたカカオ豆を原料にして、何時間も練り上げたもの。コーンの部分はフランドル地方の銘柄小麦をわざわざ取り寄せて、何層にもわけて焼いてあるのよ。1本3万円もしたんだから、心して食べてね。」
「マジっすか?うわ、確かにホントだ!チョコの口溶けが普通のチョコと全然違う!粉雪が溶けてゆくような口触りだ!うめぇ!コーンも口の中でふんわり広がって、まるで高級フランス料理を思わせる濃厚さだよ!スゴイ!」
「でしょう!」
ま、1個80円ぐらいのお菓子なんですけどね。無駄に空想力・妄想力を羽ばたかせて食べるのが私たちの流儀(笑)。
あんまり嬉しそうに食べていたせいか、家族の者が翌日も「イチゴ味カプリコ」を買ってきてくれていました。
「やった〜!今日もカプリコ食べよっと!仕事の後の楽しみに取っておこう!」
で、仕事が終わってカプリコを食べようとしたんですが、どこにもない。息子に聞くと「あれ?ぼくさっき食べたけど?」との由。
「おまえ〜〜〜〜〜!親のカプリコを食べる奴があるか!もう勘当や!」
「はぁぁああ?(笑)」
今回だけは勘当を許してつかわそう。プリプリ。
先週末、家族でスーパーに出かけたんですが、なんとこんな商品が陳列されていました。
「Caplicoのあたま」って、カプリコのチョコの部分だけを小型にして売っているんだ。知らなかった……。やるやん、グリコ社。小ぶりなチョコはハート型をしているので、来年のバレンタイン商戦をあてこんでいるのかも。
買って買ってと妻にねだり(お菓子は生活費で買うきまりになっているのです)、私と息子の分を買ってもらいました。帰宅後、期待に48歳の胸を膨らませて食べてみます。
おいしい。確かにおいしいんです。しかし、何か物足りない。そう、喩えるなら、季語のない俳句のような。小野妹子のいない遣隋使のような(と無理やりに塾ブログらしくする)。やっぱりコーンあってのカプリコなんだ、「ふんわり」と「さっくり」のハーモニーこそがカプリコなんだ、ということを再認識しました。
当塾も私と妻の二人で運営いたしておりますが、そんなハーモニーが奏でられているでしょうか。