Tiny Desk Concert という YouTube のチャンネルがあります(正確にはNPRMusic)。
NPRMusicというのはアメリカのラジオ局なんですが、ここの小さなオフィスにミュージシャンを呼んで、演奏してもらった映像が “Tiny Desk Concert”。オフィス机が置かれた本当に小さなスペースで数々の名演が繰り広げられます。
呼んでくる音楽家達の人選のセンスがとにかく素晴らしい。有名どころもいれば、(世間的には)全くの無名の新人もいるんですが、創意工夫に富んだ音楽を紡ぎ出す人たちという点において共通性があります。
実は、毎日のように見ているチャンネルでして(Macに向かって用事をしているときに見ているのです)、このチャンネルで出会ったミュージシャンは数知れず。
このラジオ局の Bob Boilen というプロデューサー(と思われる人)が凄い目利きなんでしょう。ジャズあり、ロックあり、カントリーあり、クラシックあり、民族音楽あり、とジャンルは何でもありなんですが、これはハズレだなと思う回が全くと言って良いほどありません。チラチラ映る観客は、ラジオ局の職員さんなんでしょうか。みんな心から音楽を楽しんでいるグッド・オーディエンス。
日本でも各ラジオ局がこういう映像を流してくれればいいんですが、全くと言っていいほどそういうのってないですよね。日本にも人知れず素晴らしい音楽を生み出している人たちが絶対にいるはずなんですが、そうした音楽家と私のような音楽好きをつなぐメディアが、この国にはどうも乏しい。
クソみたいな音楽事務所とか、我利我利亡者の著作権管理団体とか、音楽を愛していないのに音楽に携わっている人は何か別の仕事に転職してくれないかな、なんて思うんですけどね。暴言御免(笑)。
お薦めのコンサートは枚挙に暇が無いんですが、この記事を書くきっかけになった映像だけをご紹介しておきます。
この記事を書いている時点で、3時間前にアップロードされたばかりの、Dirty Dozen Brass Band のミニライブです。DDBBはニューオーリンズのジャズ・ブラスバンドの最高峰だと思っています。カトリーナというハリケーン禍の後で発表された彼らの作品 “What’s Goin’ On” は何回聴いたか分かりません。
このミニライブ、最後の “My Feet Can’t Fail Me Now” (16:15〜)なんか、グルーヴィとしか言いようのない感覚があるんですが、このあたりは彼らの年輪を感じさせます。
Dirty Dozen Brass Band: NPR Music Tiny Desk Concert
余談ですが(というか記事全体が余談なんだけど)、最近のニューオーリンズのジャズ・ブラスバンドだと、若手の “The Hot 8 Brass Band” が有名なんじゃないかと思います。嫌いじゃない、むしろ好きなタイプのブラスバンドです。ただ、DDBBなんかに比べると何かもの足りない。やっぱりおっさんミュージシャンはいい。亀の甲より年の功。
The Hot 8 Brass Band – ‘Sexual Healing (Official Video)’ [Marvin Gaye Cover]
マーヴィン・ゲイの超有名曲。後半のコーラスでちょっとこける(笑)。でもこの心意気・若さの勢いを買っています。
NPR Music Tiny Desk Concert 、これからも楽しみです。