琵琶湖で泳ぐ・菅浦訪問

妹一家と我が家でお墓参りに出かけてきました。本来、お盆の時期に行くべきなのかもしれませんが、渋滞に巻き込まれるのも嫌ですし、両家のスケジュールを合わせることもなかなか難しい。そんなわけで、適当な時期を見計らっての墓参が恒例行事となっています。

私の祖父は滋賀県出身。そんな縁もあって我が家の墓所は琵琶湖のほとりにあります。私自身、信心とは全く無縁な俗物ですし、亡父や鬼籍に入った祖父祖母がお墓にいるとも思わないんですが(亡くなった人は心の中に生きている)、墓所が我が家から100km程度なので、ちょっと気分転換にバイクで出かけるのにちょうど良い場所なんですよね。

そんなわけで、信心深い親類よりも、信心の全くない私の方が、我が家の墓所をよく訪れているという不思議(笑)。まあ、そういうものなのかもしれません。

あちらにいる父や祖父祖母には、「また手ぶらで来よった!花ぐらい持ってこんかい!掃除ももうちょっと丁寧にやれ!」と怒られている気もするんですが、バイクだと花を運ぶのが難しい。墓地は野原の中にあるので、(咲いていれば)そこらへんの野花を一二本摘んで挿すことにしています。子供っぽい?いえ、詩情溢れる行為だと言って下さい(笑)。

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墓所にて。夏空に鳶らしき鳥。


さて、我が家の墓参の主たる目的は「遊び・レジャー」です。もちろん、家族でお墓参りもちゃんとして、お墓の清掃なんかもするんですが、それはあくまでも従たる目的。夏にお墓に出かける実質上の目的は、琵琶湖で遊ぶことなのです。

これは祖父・祖母・父の生前からそうだったので、宮田家代々に伝わる歴とした伝統。他の人に話すと、「なんか非常識で罰当たりな奴やな〜」という顔をされることがあるんですが、祖父・祖母・父自身がそうしていたので、全く問題なかろうと(笑)。

その関係で、私は小さな頃から、琵琶湖で泳ぐことが大好き。今でもそうです。海も悪くないけれど、海水はベタベタするし身体が浮きすぎる。遠浅が多いから深さも物足りない。それでいて潮流がかなり激しいので、泳ぐことに専念しにくい。

片や琵琶湖。淡水はべとつかない上に海水に比べて比重が小さい。したがって、身体が浮きにくい。泳力が無いとぐんぐん沈むのが私好み。湖岸から数メートル離れるともう背が届かなくなるのもいい。背が届かないところで泳ぐ方がやっぱり楽しい。

まとめて言えば、真剣に泳ぐのが好きなら琵琶湖は楽しい、ということです。今まで友人と何度か琵琶湖に泳ぎに行ったことがありますが、評価ははっきりと二つに分かれます。海の家で遊んだり、チャプチャプ水遊びをするのが好きな人には、すこぶる評判が悪いんですが、マジでガッツリ泳ぎたいぜ!みたいな人には、大変高評価。キャピキャピした女性もほとんどいない水泳場は、ちょっとハードボイルドな雰囲気すら漂います(笑)。軽い気持ち厳禁。

上記のような理由からでしょうか、琵琶湖における水難事故はかなり多くなっています。実際、私達がよく泳ぐ場所近辺では、溺死に至る事故がよく発生します。2〜3年に一人ぐらいの割合でしょうか。幼い頃から慣れているので、そういうものだと思っていましたが、よく考えてみると、これってマン島TTに近いような……。

今でこそ、遊泳区域枠みたいなものが作られていて、そこから出られないようになっていますが(これがまた狭苦しい)、昔はかなりアバウトでして、望めばどこまででも泳ぐことができました。

のんびり沖に向かって泳いでいると、楽しすぎてどこまでも泳いでしまう。ふと泳いできた方を見やると、岸辺ははるか彼方で見えないぐらい。そろそろ戻ろうかなと立ち泳ぎしていると、そういう時に限って廻ってくる県警の巡視艇。ちょっとマズいなと思いつつ、潜り気味に泳いでいてもやっぱり見つかってしまいます。大音量のマイクで、一体どこを泳いでいるのだと激怒され、即刻岸に戻れと命令されたこと数回(笑)。

今は沖の方に出るとジェットスキーが走っていることがあるので危険すぎて無理ですけれど。古き良き時代です。


今年も墓参をした後で泳ぎましたが、息子の水泳指導に忙しく、自分が泳ぐ時間はあまりなし。親になるというのはそういうことなんでしょう。

その後湖北に移動して皆で散策。湖北の里「菅浦」は何度も訪れていますが、本当に素晴らしい場所です。中世が未だに残されていると言われる村落風景は、奥琵琶湖の風景と相まってここだけにしかない雰囲気をかもし出しています。

白州正子がこの場所を愛したというのは有名な話ですが、能や古典文学を愛した彼女らしいセンスだと思います。大げさに言えば、湖北菅浦は日本文化の古層を感じさせる場所です。

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菅浦から夕景の奥琵琶湖を眺む。

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琵琶湖畔にひっそり佇む近江の隠れ里「菅浦の湖岸集落」を歩く | 滋賀県 | Travel.jp[たびねす]

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